80歳の女性。一人暮らしで、別居の息子が時々訪れている。歯科訪問診療の際、本人の…
80歳の女性。一人暮らしで、別居の息子が時々訪れている。歯科訪問診療の際、本人の腕にいくつもの新しいあざがあり、通帳を息子に取り上げられたと小声で話した。本人は「誰にも言わないで」と言っている。歯科医師の対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 本人が口止めしているため、歯科の診療を続け、聞いた内容は診療録にも書かずに伏せておく。虐待が疑われる高齢者を見つけた場合は、市町村などへの通報や相談が求められます。
- ⑵ 次回の訪問時に息子にも同席してもらい、歯科医師が本人の前で直接問いただして事実を確かめる。歯科医師が直接問いただすと本人がより危険な立場に置かれることがあり、専門の窓口に任せます。
- ⑶ 歯科医師会に報告して、歯科医師会から息子へ注意の文書を送ってもらう。歯科医師会は虐待への対応を担う機関ではなく、相談先として適していません。
- ⑷ 口腔の状態には問題がないため、歯科訪問診療を打ち切って関わりを終える。関わりを断つと、本人の状況を見守る機会と支援につなぐ機会を失います。
- ⑸ 本人の思いを受け止めつつ、高齢者虐待の相談窓口である地域包括支援センターに相談する。虐待が疑われる場合は、地域包括支援センターや市町村に相談し、本人を守る支援につなげます。
解説
最も適切なのは、本人の思いを受け止めつつ、地域包括支援センターに相談することです。新しいあざが複数あることや、通帳を取り上げられたという訴えは、身体的虐待や経済的虐待を疑わせます。高齢者の虐待を見つけた人は、市町村などに通報や相談をするよう努めることが求められ、地域包括支援センターはその相談の窓口になります。歯科訪問診療は、生活の様子に気づける大切な機会です。
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