40歳の男性。下顎左側第一大臼歯の根尖性歯周炎から、同部の頬側歯肉に波動を触れる…
40歳の男性。下顎左側第一大臼歯の根尖性歯周炎から、同部の頬側歯肉に波動を触れる腫脹を生じた。体温は37.6℃で、開口障害はない。この腫脹への処置として適切なのはどれか。
- ⑴ 腫脹の中央に局所麻酔薬を多量に注入し、痛みが取れた時点で帰宅させる。痛みを抑えても膿は残り、炎症部では麻酔も効きにくいため根本的な処置になりません。
- ⑵ 波動を触れる部位を切開して排膿させ、あわせて抗菌薬を投与する。膿瘍が形成されていれば切開で排膿させ、抗菌薬で感染の拡大を抑えます。
- ⑶ 患歯の咬合面を削って咬合を低くし、腫脹部には処置を加えない。咬合調整で咬合痛は和らいでも、たまった膿は排出されません。
- ⑷ 副腎皮質ステロイドを大量に投与して、腫れを短期間で引かせる。ステロイドは免疫を抑えて感染を悪化させるおそれがあり、膿瘍の治療にはなりません。
- ⑸ 腫脹部を温め続けて膿瘍を大きくし、自然に破れるまで処置を延ばす。自潰を待つと感染が周囲の隙に広がるおそれがあり、波動があれば切開します。
解説
波動のある部位を切開して排膿させ、抗菌薬を投与するのが適切です。根尖性歯周炎から生じた膿瘍が骨膜下や粘膜下に達して波動を触れるようになったら、切開して膿を排出させることが治療の基本になります。排膿によって痛みと腫脹が速やかに軽くなり、感染が深部へ広がるのを防げます。抗菌薬は切開と組み合わせて使い、症状が落ち着いたあとで原因歯の根管治療や抜歯を行います。
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