55歳の女性。10年前に下顎右側第一大臼歯を抜歯した後、補綴治療を受けずに過ごし…
55歳の女性。10年前に下顎右側第一大臼歯を抜歯した後、補綴治療を受けずに過ごしてきた。補綴の相談で来院した。この欠損を放置したことで生じやすい変化として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 欠損部の粘膜が増殖して歯の形の隆起を作り、すき間を埋める。欠損部の粘膜が増殖して隙間を埋めることはなく、骨の吸収に伴い顎堤は低くなります。
- ⑵ 欠損部の歯槽堤の高さが、年月とともに少しずつ増していく。歯を失った部位の歯槽骨は吸収され、歯槽堤は低く細くなります。
- ⑶ 対合する上顎の歯が咬合力で押され、根尖の方へ沈み込む。対合歯は咬合の力を失うため、沈み込むのではなく挺出します。
- ⑷ 対合する上顎右側第一大臼歯が、欠損部に向かって挺出する。対合歯との接触を失った歯は、咬合平面を越えて欠損部の方へ伸び出します。
- ⑸ 下顎右側第二大臼歯が、欠損部の方へ近心に傾斜する。隣接する歯との接触が失われ、後方の歯は欠損部へ向かって近心に傾きます。
解説
対合する上顎右側第一大臼歯の挺出と、下顎右側第二大臼歯の近心への傾斜の2つが正しいです。歯を失ったまま放置すると、対合歯は噛み合う相手を失って欠損部へ挺出し、隣在歯は接触点を失って欠損部へ傾斜・移動します。その結果、咬合平面が乱れ、補綴に必要な空間が不足したり、早期接触や食片圧入の原因になったりします。欠損部の歯槽骨は吸収されて低くなるため、早めの補綴治療が勧められます。
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