生後間もなく重い感染症をくり返す乳児で、検査の結果、胸腺が先天的に形成されていな…
生後間もなく重い感染症をくり返す乳児で、検査の結果、胸腺が先天的に形成されていないことがわかった。胸腺の働きとこの乳児に起こる免疫の異常について正しいのはどれか。
- ⑴ 赤血球を作る主要な器官が欠けるため、重い貧血が生後すぐから続く。出生後の赤血球は骨髄で作られ、胸腺は造血の主要な器官ではありません。
- ⑵ 血液中の古い赤血球を壊す器官が欠けるため、赤血球の数が増える。古い赤血球の破壊は主に脾臓で行われます。
- ⑶ リンパ液をろ過して抗原を捕らえる器官が欠けるため、リンパ節が腫れる。リンパ液をろ過して抗原を捕らえるのはリンパ節自体の働きです。
- ⑷ T細胞が分化・成熟する場が欠けるため、細胞性免疫が低下する。胸腺はT細胞の成熟の場であり、欠損すると細胞性免疫が著しく障害されます。
- ⑸ B細胞が成熟する一次リンパ器官が欠けるため、抗体を作る細胞が生じない。B細胞は骨髄で成熟するため、胸腺の欠損でB細胞そのものがなくなるわけではありません。
解説
胸腺が欠けるとT細胞が成熟できず、細胞性免疫が低下します。胸腺は骨髄とともに一次リンパ器官に分類され、骨髄から移ってきた前駆細胞が胸腺でT細胞へ分化・成熟し、自己に反応する細胞は除かれます。胸腺は小児期に大きく、思春期以降は脂肪組織に置き換わって小さくなります。B細胞は骨髄で成熟し、古い赤血球の処理は脾臓、リンパ液のろ過はリンパ節が担います。T細胞の不足は抗体産生の助けも弱めます。
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