61 歳の女性。有機農業従事者。腹痛で来院し、虫卵検査を行った。糞便の直接塗抹標…
61 歳の女性。有機農業従事者。腹痛で来院し、虫卵検査を行った。糞便の直接塗抹標本(別冊No. 2)を別に示す。考えられるのはどれか。
- ⑴ 回虫卵厚い卵殻の外側に凹凸のある蛋白膜をもつ楕円形の虫卵で、受精回虫卵の典型像です。
- ⑵ 鉤虫卵鉤虫卵は薄く無色の殻の中に割球が透けて見えます。厚い蛋白膜をかぶった像とは異なります。
- ⑶ 条虫卵条虫卵は放射状の線条が並ぶ厚い殻をもち、中に六鉤幼虫が見えます。外側の蛋白膜はありません。
- ⑷ 鞭虫卵鞭虫卵は両端に無色の栓をもつ樽形で、形がはっきり違います。
- ⑸ 横川吸虫卵横川吸虫卵は30μm 前後と小さく、卵蓋をもちます。大きさの点で合致しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。示された虫卵は、厚い卵殻の外側に凹凸のある蛋白膜をかぶった楕円形で、大きさは60μm ほどあります。受精回虫卵の特徴にあてはまります。有機農業では人糞を用いた堆肥や土に触れる機会があり、いまでも回虫の感染が報告されています。鉤虫卵は薄い殻の中に割球が透けて見え、条虫卵は放射状の線条をもつ厚い殻で覆われます。鞭虫卵は両端に栓をもつ樽形、横川吸虫卵は小形で卵蓋をもちます。形と大きさを合わせて見分けましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-07.html)を加工して作成