問8 下線部分関税に関連して,オサムさんは次の資料6 から,貿易の自由と制限をめ…
次のⅠ・Ⅱについて,後にある問1 ~問8 に答えよ。 Ⅰ 次の会話文について,後にある問に答えよ。 会話文 オサム: 私たちはよく○○人,○○国民という言い方をするけれど,何をもって日本人 やフランス人とするかは,意外に難しいですよね。 アズサ: まずは国籍で定義する考え方がありますよね。そういえば前回の授業で「国民」 という概念が広がったのは近代の市民革命以降だと学びました。 先 生: 資料1 を見てください。オスマン帝国のミドハト憲法です。 資料1 ミドハト憲法(意訳してある) ・ 皇帝陛下はカリフ位によりイスラーム教の守護者であり,全オスマン臣民の元首に して皇帝である。 ・ オスマン国籍を有する者は全て,いかなる宗教及び宗派に属していようとも,例外 なくオスマン人と称される。 オサム: 国籍について触れられていますね。オスマン帝国は A のでしょ うか。 先 生: そうですね。しかし,憲法に定められていれば,その国の人々は同じ国民であ るという認識を持てたのでしょうか。資料2 を見てください。どのようなこと に気づきますか。 資料2 フランス革命期の言語分布 アズサ: フランス語は,フランス B ではあまり話されていないことがわかります が,これはどういうことでしょうか。 ⒜ ⒝ オサム: 次の資料3 も踏まえて考えると,この時期のフランスでは, C が話されていたことがわかります。 資料3 国民公会での演説(1794 年,意訳してある) いまだに,旧州の名前を思い起こさせるようなおよそ30 の地方語が存在する。…誇 張でもなく,600 万人のフランス人が,特に,農村においては,国民言語を知らない ということ,…国民言語を話すことができる人口が300 万人を超えないこと,そして おそらくそれを書くことができる人口ははるかに少数であることも断言できる。 先 生: その通りです。資料3 と同じ時期に,フランスの議会では,フランス語の新し い文法や語彙をつくり,フランス語を普及させるための命令を出しています。 オサム: 言語を統一することで同じ国民であるという意識を創出しようとしたのです ね。では,同様の動きがみられた1870 年代の日本ではどのような政策がとら れたのでしょうか。 アズサ: 次の時間に資料を持ち寄り,確認してみましょう。 Ⅱ 次の年表について,後にある問に答えよ。 年 表 中国の出来事 年・年代 日本の出来事 貿易港が広州に限定された。 アヘン戦争が始まった。 上海など5 港が開港された。 洋務運動が行われた。 日清戦争が始まった。 義和団戦争が始まった。 辛亥革命が始まった。 中華民国が建国された。 1860 年代 異国船打払令が制定された。 ペリーが浦賀に来航した。 欧米諸国との通商条約が締結された。 富岡製糸場が開業した。 大日本帝国憲法が制定された。 日清戦争が始まった。 義和団戦争に出兵した。 日露戦争が始まった。 関税自主権の回復が実現した。
問8 下線部分関税に関連して,オサムさんは次の資料6 から,貿易の自由と制限をめぐる対立 について考察したレポートを作成した。レポート中の D と E に当てはまる語句の組合せとして適切なものを,下の1 ~4 のうちから一つ選べ。
資料6 アメリカ合衆国のある州の議員による演説の内容 ・ 関税の唯一の目的は,アメリカ合衆国の産業を促進する目的で,外国の生産物に課税 することだ。 ・ 現状は,アメリカ合衆国の綿花農家の側は,綿作地域だけでなくアメリカ合衆国の全 体がイギリスの工業製品の消費のために開放され,制約のない状態を維持しましょう と申し立てており,イギリスの製造業の側は,自分たちもアメリカ合衆国南部の綿花 を購入し続けましょうと約束しているのである。 ・ このような約束こそ,民衆の仲を引き裂くことになる。 レポート 「南北戦争前のアメリカ合衆国における自由と制限をめぐる対立」 1824 年,アメリカ合衆国で関税法が制定された。資料6 は,その意義について述べ た演説内容の一部を抜粋したものである。 この議員は, D が伸び悩んでいる現状に批判的だということが読み取 れる。一方で,アメリカ合衆国南部の綿花農家らをはじめとして関税法に反対する声も 噴出し,関税をめぐって地域間での対立を招くことになった。 つまり,アメリカ合衆国の E ことによる対立だと言えるだろう。どち らの貿易政策をとるかをめぐる対立は,現代でもみられるものだと感じた。
- 1 D―イギリスの工業製品が流入することで,アメリカ合衆国の製造業の成長E―北部は保護貿易を求め,南部は自由貿易を求めた工業を守りたい北部が保護貿易を、綿花を売る南部が自由貿易を求めました。
- 2 D―イギリスの工業製品が流入することで,アメリカ合衆国の製造業の成長E―北部は自由貿易を求め,南部は保護貿易を求めたDは正しいものの、北部と南部の求めた貿易政策が逆になっています。
- 3 D―イギリスの工業製品の流入を制限することで,アメリカ合衆国産の綿花の輸出E―北部は保護貿易を求め,南部は自由貿易を求めた議員が惜しんでいるのは綿花の輸出ではなく製造業の成長です。
- 4 D―イギリスの工業製品の流入を制限することで,アメリカ合衆国産の綿花の輸出E―北部は自由貿易を求め,南部は保護貿易を求めたDの内容も、北部と南部の立場も当てはまりません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は1です。資料6の議員は、関税の目的を自国の産業を守り育てることだと述べ、イギリスの工業製品が入り放題の状態を批判しています。したがってDには、製造業の成長が伸び悩んでいるという内容が入ります。この立場は工業のさかんな北部のもので、保護貿易を求める声にあたります。一方、綿花をイギリスに売りたい南部は自由貿易を求めたので、関税をめぐって地域間の対立が生まれます。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00018.htm)を加工して作成