問6 D と E に当てはまる語句の組合せとして適切なものを,次の1 ~4 のう…
次のⅠ・Ⅱについて,後にある問1 ~問8 に答えよ。 Ⅰ ソヴィエト連邦(ソ連)出身の作家スヴェトラーナ= アレクシエーヴィチは,ソ連の歴史の表 舞台には登場しない一般市民の声をすくい上げ作品としてまとめてきた。 1983 年のデビュー作である『戦争は女の顔をしていない』は,第二次世界大戦でドイツ軍と の戦いを経験したソ連軍の女性たちの証言集である。この作品は初め国家により出版が禁止さ れた。1985 年に A がペレストロイカを始めると出版することができたが,出版にあたっ て削除された証言もあった。 1986 年にチェルノブイリで人々が体験した出来事について記載した『チェルノブイリの祈 り』も,話題となった作品である。また,1991 年のソ連崩壊が引きおこした社会の変化につい ての証言集では, B の下で初めて体験する生活に翻 弄 されるソ連の人々が描かれている。 これらの作品には文学としての価値が認められ,アレクシエーヴィチは2015 年にノーベル 賞を受賞した。 Ⅱ パレスチナ問題に関心をもったリンさんは,次の写真1 ・2 を見つけた。写真1 ・2 に関す るリンさんと先生の会話文を読み,問に答えよ。 写真1 写真2 会話文 リン: 写真1 は,子どもが戦車に向かって石を投げています。この子どもは,パレスチ ナで対立しているユダヤ人とアラブ人(パレスチナ人)の,どちらでしょうか。 先生: リンさんはどちらだと思いますか。 リン: 抵抗しているこの子どもはユダヤ人だと思います。ユダヤ人は,第二次世界大戦 の頃に C 人々だからです。 先生: ユダヤ人についてよく知っていますね。第二次世界大戦後,国際連合によってパ レスチナが分割されたときに,ユダヤ人は D を建国しました。この国は E などによって圧倒的な武力をもつ国になったんです。実は,写 真1 の子どもはアラブ人で, D の戦車に石を投げて抵抗しているようすで す。 リン: そうなんですね。しかし写真2 を見ると,ユダヤ人とアラブ人それぞれの代表が 対等な関係で握手をしているように見えますね。 先生: これは1993 年のオスロ合意調印式のようすです。しかしこの合意ののち, D がアラブ人側の土地を取り込むような形で分離壁を建設して,アラブ人 の生活は脅かされてしまいました。 D が分離壁を建設した目的は「テロ行 為を防止すること」でしたが,この壁によって両者の対立はいっそう深刻になっ てしまっています。 リン: 先生,ありがとうございました。これから現代の諸課題に関する問いを立てて探 究してみたいと思います。 ⒟
問6 D と E に当てはまる語句の組合せとして適切なものを,次の1 ~4 のうちから一つ選べ。
- 1 D―イスラエル E―アメリカ合衆国からの支援ユダヤ人が建国したのはイスラエルで、アメリカ合衆国からの支援などを背景に軍事的に強大な国となりました。
- 2 D―イスラエル E―ヨーロッパ共同体(EC)への加盟Dは正しいものの、Eが誤りです。イスラエルはヨーロッパ共同体(EC)に加盟しておらず、圧倒的な武力の背景としてはアメリカ合衆国からの支援が適切です。
- 3 D―ユーゴスラヴィア E―アメリカ合衆国からの支援Dが誤りです。パレスチナでユダヤ人が建国したのはイスラエルであり、ユーゴスラヴィアはバルカン半島の別の国です。
- 4 D―ユーゴスラヴィア E―ヨーロッパ共同体(EC)への加盟D・Eともに誤りです。ユダヤ人が建国したのはイスラエルであり、その軍事力の背景はヨーロッパ共同体への加盟ではなくアメリカ合衆国からの支援です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は1です。第二次世界大戦後、国際連合によるパレスチナ分割決議を受けて、1948年にユダヤ人はイスラエルを建国しました。イスラエルはその後、アメリカ合衆国からの経済的・軍事的支援などを背景に、周辺のアラブ諸国に対して圧倒的な軍事力をもつ国へと成長しました。ユーゴスラヴィアはバルカン半島の多民族国家で、パレスチナ分割とは関係がなく、ヨーロッパ共同体(EC)への加盟という説明もイスラエルの実際の歩みとは異なります。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00017.htm)を加工して作成