問5 生徒たちは,行政の社会課題に対する具体的な取組について会話している。次の会…
「公共」の授業で,生徒たちが日本の行政について学習している。問1 ~問5 に答えよ。
問5 生徒たちは,行政の社会課題に対する具体的な取組について会話している。次の会話文中 の E , F , G にあてはまるものの組合せとして適切なものを,次のペー ジの1 ~4 のうちから一つ選べ。
会話文 生徒X:富士山では,世界文化遺産に登録後,登山者が増えたことで山頂付近の過度な混 雑,一気に頂上をめざす弾丸登山の増加,登山者のマナーの悪化など,様々な問題 が生じていますね。 生徒Y:そうですね。山梨県と静岡県は,富士山の登山規制をするなどの対策をはじめました。 生徒X:まず山梨県では,2024 年から資料3 のような規制をはじめました。 生徒Y:そうなのですね。これまでは,登山者の任意による協力金しか徴収できていません でした。なぜ,今回はすべての登山者に入山規制や通行料を課すことができたので しょうか。 生徒X:それは,登下山道の一部を県道から県有地の扱いに変更することで,入山規制や通 行料を徴収できるよう,山梨県議会が E 案を可決したからです。 生徒Y:山梨県が通行料を徴収することは,地方公共団体の事務のうち F にあたりま すね。ところで,富士登山への対策は地方公共団体が単独で行う課題でしょうか。 生徒X:いいえ。国も対策にあたっています。例えば環境省では,国立公園の適正な利用推 進に向けて,富士山の四つの登山道に赤外線カウンターを設置し,登山者数調査を 実施しています。その結果を,資料4 のように公表しています。 生徒Y:実際に先行して対策をはじめた山梨県では,資料3 の規制をかけた2024 年の登山 者数は,前年と比べて G しました。これを受け,山梨県と静岡県は協調して さらなる登山規制の強化を行うようです。今後も,富士山に関係する行政の取組に 注目していきたいですね。 資料3 富士山における登山規制について 資料4 富士山の登山者数及び県別登山者数 208,161 150,845 93,962 137,236 114,857 89,459 84,086 66,183 149,969 85,677 54,392 24,156 57,316 235,646 2024(年) 山梨県 300,000 (人) 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 静岡県 ※静岡県は須走・御殿場・富士宮の合計 ※2020 年は新型コロナウイルス感染拡大 により登山道を閉鎖 78,548 160,145 221,322 204,316 (資料3 山梨県ホームページ「令和6 年度の富士登山について」により作成) (資料4 環境省ホームページ「富士山登山者数について」により作成)
- 1 E:政令 F:自治事務 G:増加政令は内閣が定めるもので、また規制後の登山者数は増えていません。
- 2 E:条例 F:自治事務 G:減少県議会が可決するのは条例、通行料の徴収は自治事務で、登山者数は減少しました。
- 3 E:政令 F:法定受託事務 G:減少地方公共団体が定めるのは政令ではなく条例です。
- 4 E:条例 F:法定受託事務 G:増加条例は正しいものの、自らの判断で行う仕事は自治事務です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は2です。地方公共団体が独自に定める決まりは条例で、地方議会が可決して成立します。政令は内閣が定めるものなので当てはまりません。また通行料の徴収のように地方公共団体が自らの判断で行う仕事は自治事務で、法定受託事務は国から委託された事務を指します。そして山梨県が2024年に規制を始めた結果、その年の登山者数は前年より減少しています。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00018.htm)を加工して作成