問5 マメ科植物の根に存在する根粒菌は,窒素固定により大気中の窒素を利用すること…
(5 ・6 のどちらか1 題を選び解答する) 身のまわりの微生物について,問1 ~問5 に答えよ。 微生物で最も多く存在している ア は,核やミトコンドリア,葉緑体などを持たない。 ア の多くは分裂によって増え,食品の製造に関係するものや病気の原因になるものもあ る。一方,ゾウリムシやアメーバなどは原生生物と呼ばれ,水中や土壌中に存在する。また,遺 伝物質はあるが,細胞構造を持たない イ は, ア よりも非常に小さく,生物とも無生 物ともいえない。 微生物のはたらきを調べるため,次のような実験を行った。 [実験方法] ⑴ ペトリ皿に滅菌済の寒天培地をつくり,その表面にデンプン溶液をまんべんなく塗った ものを2 つ用意した。 ⑵ 2 つのペトリ皿(X,Y)について,それぞれ次のような処理を行った。 X・・・ 野外から拾った落葉を穴あけ器で打ち抜いて落葉片を数枚つくり,培地上に置いた。 Y・・・ 野外から拾った落葉を煮沸したのち,穴あけ器で打ち抜いて落葉片を数枚つく り,培地上に置いた。 ⑶ 外部からの雑菌が入らないようにペトリ皿にふたをし,約30 ℃のもとで7 日間放置した。 ⑷ 7 日後,培地面にヨウ素溶液を流し,色の変化を観察した。 [実験結果] X・・・ 培地のほとんどが青紫色を示したが,落葉片の周囲では青紫色を示さない部分が 見られた。 Y・・・培地全体が青紫色を示し,落葉片の周囲も同様に青紫色を示した。
問5 マメ科植物の根に存在する根粒菌は,窒素固定により大気中の窒素を利用することができ る。マメ科植物は根粒菌のはたらきにより,栄養の乏しい土地でも窒素を得ることができ る。このような根粒菌のはたらきを利用している例として適切なものを,次の1 ~4 のうち から一つ選べ。
- 1 ダイズ栽培でのヨトウムシなどによる食害の防除ヨトウムシによる食害の防除は害虫対策の話であり、根粒菌による窒素固定のはたらきとは関係がありません。
- 2 水田の裏作としての冬季から春にかけてのゲンゲ(レンゲ)の栽培ゲンゲ(レンゲ)はマメ科植物で、根に共生する根粒菌が大気中の窒素を固定します。水田の裏作としてゲンゲを栽培することで土壌の窒素分を増やし、後作の稲の生育に役立てています。
- 3 下水処理における活性汚泥での微生物利用活性汚泥法は下水処理で有機物を分解する微生物を利用する技術であり、根粒菌による窒素固定のはたらきとは異なります。
- 4 納豆の製造過程における発酵促進納豆の製造には納豆菌(枯草菌の一種)が利用されており、マメ科植物の根に共生して窒素を固定する根粒菌とは別の微生物です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は2です。ゲンゲ(レンゲ)はマメ科植物で、根に共生する根粒菌が大気中の窒素を固定するはたらきをもちます。水田の裏作としてゲンゲを栽培すると、土壌中の窒素分を増やすことができ、その後に育てる稲の生育に肥料効果として役立てられます。これは根粒菌のはたらきを農業に活かした代表的な例です。他の選択肢は害虫防除や下水処理、納豆菌による発酵など、根粒菌とは異なる微生物やしくみに関する内容です。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00017.htm)を加工して作成