問2 下線部太平洋を渡ってアメリカまで1 ~2 年でたどり着いているのに,宮城か…
海流について科学的に探究した。問1 ~問4 に答えよ。 津波による漂流物について調べている場面 テツヤ:昨年の夏,南海トラフ地震に関して臨時情報が初めて出されたね。 マサミ:地震は来なかったけど,1 週間,新幹線が速度を落として運転するなど,日常生活への 影響があったよ。南海トラフ地震でも津波が警戒されているけど,2011 年3 月に起 こった東北地方太平洋沖地震では,津波で大きな被害が出たよね。 先 生:津波では,陸に押し寄せた波が再び海に戻るときに,陸上の様々なものを海へ運び去っ て行きました。 テツヤ:海に運び出されたものは,その後,どこへ行ったのかな。 マサミ:もちろん近くの岸辺に打ち上げられたものもあったけど,そうでないものは,沖合に流 されて行ってしまったんだ。 先 生:そうやって沖合に流されたものがどうなっていったか,「東日本大震災 津波 漂流物」 で検索してみてください。 テツヤ:2013 年2 月にワシントン州の海岸に漁船が流れ着き,船の中に日本近海にしか生息し ない魚が生きて発見されたという記事があったよ。 マサミ:こんな画像もあった。青森県三沢市の漁港の浮き桟橋が,オレゴン州ニューポートの海 岸に流れ着いたんだって(図1 )。現地では解体と撤去に大変苦労したそうだよ。 図1 オレゴン州に流れ着いた浮き桟橋 (写真:AFP/WAA) ⒜ 先 生:日本とワシントン州,オレゴン州の位置関係を示してみました(図2 )。 図2 日本とワシントン州とオレゴン州の位置関係 先 生:このようなことが起こるのは,海流によって日本近海と北アメリカ大陸西海岸が結ばれ ているからと言うことができます。漂流物がたどった経路の長さと漂着するまでの時間 が分かれば,おおよその海流の速さを求めることができそうですね。 ナホコ:やっと別の記事を見つけたわ。宮城県で使われていた漁船が,2016 年5 月に沖縄県の 宮古島近海で発見されたんだって。 マサミ:太平洋を渡ってアメリカまで1 ~2 年でたどり着いているのに,宮城から宮古島まで 5 年以上かかるのも不思議な感じだね。 先 生:さあ,どう考えたらよいでしょうか。太平洋の海流の様子を予想してみましょう。
問2 下線部太平洋を渡ってアメリカまで1 ~2 年でたどり着いているのに,宮城から宮古島ま で5 年以上かかるについて,このことを合理的に説明するために生徒たちは次の仮説を考え た。文中の A と B に入る語句の組合せとして最も適当なものを,下の1 ~4 の うちから一つ選べ。
【仮説】 低緯度から中緯度付近の北太平洋には A があり,黒潮はその一部をなしてい る。宮城の漁船が A に流されて移動したとすると,太平洋を渡ってアメリカま では1 ~2 年でたどり着いたのに,宮城から宮古島まで5 年以上かかったことから, 北太平洋の A の流れる方向は,次のⅠとⅡの図のうち, B となる。 Ⅰ 宮城 宮古島 アメリカ Ⅱ 宮城 宮古島 アメリカ
- 1 A:ハドレー循環 B:Ⅰハドレー循環は大気の循環で、漂流物を運ぶ海の流れではありません。
- 2 A:ハドレー循環 B:Ⅱ大気の循環という語も、流れの向きも当てはまりません。
- 3 A:環流(亜熱帯環流) B:Ⅰ北太平洋の亜熱帯環流は時計回りで、アメリカへは短く宮古島へは回り道になります。
- 4 A:環流(亜熱帯環流) B:Ⅱ環流という語は正しいものの、流れる向きが逆になっています。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は3です。低緯度から中緯度の北太平洋には、黒潮を一部とする大きな環状の流れがあり、これを環流、または亜熱帯環流といいます。ハドレー循環は赤道付近で上昇して中緯度で下降する大気の循環なので、海流の説明には当てはまりません。また北太平洋の環流は時計回りで、宮城から東へ向かう流れに乗ればアメリカへ短期間で着き、宮古島へは大きく回りこむことになります。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00019.htm)を加工して作成