問4 実験1 と実験2 のモデルが示す前線と図2 に描かれた前線の断面A-B,C…
日本の降雨について科学的に探究した。問1 ~問4 に答えよ。 前線の様子を再現したモデル実験 日本の気候の大きな特徴の一つは,その降水量の多さにある。これは,日本やその周辺域には 上昇気流が発生する複数の要因が存在するためである。その要因の一つとして挙げられるのが, 「前線」の存在である。下は,この前線の様子を再現するために考えられたモデル実験の手順と結 果を示したものである。 [実験1 の手順] Ⅰ 水そうに30 ~40 ℃の水を入れる。 Ⅱ 冷蔵庫で冷やした牛乳(5 ℃程度)を準備し,着色料を加える。 Ⅲ Ⅱを水そうの片方から静かに注ぎ入れる。 [実験2 の手順] Ⅰ 水そうに常温(15 ℃程度)の水を入れる。 Ⅱ ビーカーに熱湯と牛乳(90 ~100 ℃)を9:1 の割合で入れ,着色料を加える。 Ⅲ Ⅱを水そうの片方から静かに注ぎ入れる。 (実験1 ) (実験2 ) 図1 実験1 と実験2 の結果 ⒜ [結果] 注ぎ入れた液体と水はどちらの実験でもすぐに混ざり合わず,実験1 では,牛乳を含む液体が 水そうの底面部を塊状になって進んだ。実験2 では,牛乳を含む液体が斜めにはい上がるように 移動した。 図2 に,日本付近に発生する温帯低気圧の天気図上の様子を示す。実験1 と実験2 は,この温 帯低気圧の周辺に発生する前線の種類の違いを表している。日本付近の低気圧の周りでは反時計 回りに風が吹いているため,このような形となる。 図2 日本付近の温帯低気圧の前線と周辺の雲 (猪熊隆之『山岳気象大全』より作成)
問4 実験1 と実験2 のモデルが示す前線と図2 に描かれた前線の断面A-B,C-Dとの関係, 及びその名称の組合せとして最も適当なものを,次の1 ~4 のうちから一つ選べ。
- 1 実験1:A-B:温暖前線 実験2:C-D:寒冷前線断面の対応も名称も誤りです。冷たい液体が底を進む実験1は寒冷前線にあたります。
- 2 実験1:A-B:寒冷前線 実験2:C-D:温暖前線名称は正しいのですが、断面が入れ替わっています。寒冷前線を横切るのはC-Dです。
- 3 実験1:C-D:温暖前線 実験2:A-B:寒冷前線断面の対応は正しいのですが、名称が入れ替わっています。実験1が寒冷前線です。
- 4 実験1:C-D:寒冷前線 実験2:A-B:温暖前線底をもぐり込む実験1が寒冷前線のC-D、はい上がる実験2が温暖前線のA-Bで、どちらも一致します。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は4です。実験1では冷たく重い液体が水そうの底を塊のまま進みました。これは冷たい空気が暖かい空気の下にもぐり込んで進む寒冷前線のようすを表しています。実験2では暖かい液体が斜めにはい上がるように動きました。これは暖かい空気が冷たい空気の上をゆるやかにはい上がる温暖前線のようすです。図2では、低気圧から南西にのびて三角の印が付いた前線を横切るのが断面C-D、南東にのびて半円の印が付いた前線を横切るのが断面A-Bですので、実験1がC-D、実験2がA-Bに対応します。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00018.htm)を加工して作成