問4 図2 の火成岩について述べた文として最も適当なものを,次の1 ~4 のうち…
マグマの成分と火山の形や岩石について科学的に探究した。問1 ~問4 に答えよ。 火山や岩石について考えている場面 テツオ:岩石を区別して名前を付ける必要性がよく分からないです。 先 生:火星や金星は玄武岩質に分類される岩石ばかりだけれど,地球だけに岩石の多様性が見 られ,それが地球が生きている証なのです。岩石は,形成過程や含まれる鉱物,化学 組成などに基づいて名前が決まります。特に火成岩については,表1 のように分類され ます。今回は,この表を基に考えていきましょう。 表1 火成岩の分類の一例 マグマの性質 玄武岩質 安山岩質 デイサイト・流紋岩質 SiO2 量 少ない 多い マグマの温度 高い 低い マグマの粘性 小さい 大きい 代表的な火山の形 A B C 火山岩 玄武岩 安山岩 デイサイト・流紋岩 深成岩 斑れい岩 閃緑岩 花こう岩 密度(g/cm3) 約3.0 約2.7 造 岩 鉱 物 の 割 合 体 積 % 無色鉱物 その他の鉱物 有色鉱物 かんらん石 角閃石 黒雲母 斜長石 (Ca に富む) (Na に富む) 石英 カリ長石 輝石 主な酸化物の 量(重量%) Al2O3 MgO Na2O K2O CaO FeO+Fe2O3 先 生:地下の岩石が融けてできたマグマは,周囲の岩石よりも 密度が小さく,また液体状であるため流動しながら上昇 します。地殻の上部あたりまで上昇すると,周囲の岩石 との密度の差が小さくなって,それ以上上昇できなくな ります。火山の地下数km のあたりには,こうしてでき た D があります(図1 )。 テツオ:火成岩アと火成岩イの薄片を偏光顕微鏡で観察してスケッチしました(図2 )。このス ケッチを見ると,斑状組織の斑晶は,比較的大きな結晶です。鉱物が成長するには長い 時間が必要と聞いたことがあります。火成岩アとイは違う場所でできたと考えられます が,火成岩アやイの中にある大きな結晶は,長い時間をかけて成長したのですね。 火成岩ア 斜長石 石英 カリ長石 黒雲母 火成岩イ 斜長石 石英 黒雲母 細かい鉱物の結晶 図2 火成岩の偏光顕微鏡下でのスケッチ
問4 図2 の火成岩について述べた文として最も適当なものを,次の1 ~4 のうちから一つ選 べ。
- 1 火成岩アにおいて,黒雲母はその形から,石英より後に晶出したことが分かる。鉱物の形だけから、晶出した順序を決めることはできません。
- 2 火成岩アは,SiO2 量が少ないマグマが,時間をかけて固まったものである。黒雲母や石英を含むアは、SiO2に富むマグマからできた岩石です。
- 3 火成岩イには,細かい鉱物の結晶のほかにガラスが含まれることがある。急に冷えた火山岩には、細かい結晶とガラスが石基として含まれます。
- 4 火成岩イは,地下深くでゆっくり冷えてできたものである。地下深くでゆっくり冷えてできるのは深成岩で、イには当てはまりません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は3です。図2の火成岩イは、マグマが地表や地表の近くで急に冷えてできた火山岩です。急に冷えると鉱物が十分に成長できないため、細かい結晶や、結晶になりきれなかったガラスが石基として含まれます。1は鉱物の形だけから晶出の順序を決めることができず、2は黒雲母や石英を含むアがSiO2に富む岩石であることと合いません。4は、地下深くでゆっくり冷えてできるのが深成岩であることと合いません。
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/1411255_00018.htm)を加工して作成