近年の学術的な発見や研究などに関する記述として最も妥当なのはどれか。
近年の学術的な発見や研究などに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ⑴ 2025年2月、エジプト政府は、古代エジプト王国のファラオであるトトメス2世のピラミッドを発見したと発表した。トトメス2世は、ローマの文化を取り入れてエジプトの文化と融合させ、ヘレニズム文化を創出した王であり、ラテン語とヒエログリフを併記したロゼッタ=ストーンを作らせた。後を継いで女王となった娘のクレオパトラは、ローマと戦い滅ぼされた。ロゼッタ=ストーンやクレオパトラは、はるか後の時代のことです。
- ⑵ 2025年3月、数学分野で優れた業績をあげた研究者に贈られるアーベル賞を、柏原正樹特定教授が受賞した。柏原特定教授は、幾何学の問題を座標によって数の間の問題に帰着して、代数的に処理する「解析幾何学」という分野を築き上げたことが評価された。同賞の日本人の受賞は、ニュートリノの存在を数学理論から予測した湯川秀樹以来2人目となる。湯川秀樹が予測したのは中間子で、受賞もノーベル賞です。
- ⑶ 2025年5月、メキシコシティの近郊で約3000年前のマヤ文明の遺跡である王の墓が発見された。マヤ文明は、現在のメキシコと米国の国境地帯を中心に栄え、精密な暦やマチュ=ピチュ遺跡に代表される優れた石造建築で知られた文明であったが、ポルトガル人のピサロによって16世紀に滅ぼされた。マチュ=ピチュはインカ文明の遺跡で、ピサロもスペイン人です。
- ⑷ 2025年6月、放射性炭素年代測定法を用いて旧約聖書の写本集である死海文書の作成時期を分析したところ、従来の分析よりも1000年以上新しい15世紀頃である可能性が高まった。放射性炭素年代測定法は、宇宙線によってCO2中の12Cが放射性原子核の14Cに変わることと宇宙線が年々弱まっていることを利用して、対象物に含まれる14Cの割合から対象物が生じた時代を割り出す手法である。死海文書は紀元前後のもので、15世紀まで新しくはなりません。
- ⑸ 2025年9月、黒毛の牛の体表に白色のシマウマ様の縞模様を施すと、牛に吸血昆虫が寄り付きにくくなることを発見した兒嶋(児嶋)朋貴研究員らの日本の研究チームが、イグ・ノーベル賞を受賞した。同賞を日本人が受賞するのは19年連続となる。生物の視覚は多様であり、例えば、モンシロチョウやミツバチなどの昆虫の多くの種は、ヒトが知覚できない紫外線を知覚することができる。縞模様と吸血昆虫の研究による受賞で、昆虫の視覚の説明も正しいです。
解説
正解は⑸です。2025年9月、牛の体表にシマウマのような縞模様を描くと吸血昆虫が寄り付きにくくなることを示した日本の研究チームがイグ・ノーベル賞を受賞しました。昆虫の多くが紫外線を見分けられることも正しい説明です。ほかの選択肢は、トトメス2世とクレオパトラの時代、アーベル賞の受賞理由、マヤ文明の位置と滅ぼした人物、死海文書の年代がいずれも事実と異なります。
出典:人事院ホームページ(https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/mondairei_15.html)を加工して作成