環境や科学技術をめぐる最近の動きなどに関する記述として最も妥当なのはどれか。
環境や科学技術をめぐる最近の動きなどに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ⑴ 令和5(2023)年、水俣病の原因となったカドミウムの使用や輸出入を国際的に規制する「水俣条約」の締約国会議が開催され、蛍光灯には微量のカドミウムが含まれていることから、蛍光灯の製造と輸出入が段階的に禁止されることとなった。カドミウムは、生物濃縮を引き起こす物質であり、特にプランクトンの体内に高濃度に蓄積し赤潮を発生させる。水俣病の原因は有機水銀で、条約が規制しているのも水銀です。
- ⑵ 令和6(2024)年、環境省は、新たに国立公園を指定し、その名称を「日高山脈襟裳十勝国立公園」とした。同国立公園に指定された地域では、約2千年前の氷期には海岸まで氷河が発達し、現在も様々な氷河地形の織りなす優れた景観が見られる。氷河の侵食などによって、日高山脈ではタワーカルストが、襟裳岬ではフィヨルドが、十勝平野ではワジが形成された。日高山脈では氷河の侵食によるカールなどが見られ、タワーカルストやワジは別の気候でできる地形です。
- ⑶ 令和6(2024)年、我が国の政府は、海洋政策の中でも特に注力して取り組むべき政策を記した「海洋開発等重点戦略」を決定した。この中で南鳥島周辺での天然ガス採掘について、令和10(2028)年以降に生産体制を整える目標を示した。南鳥島は、我が国最南端の島で、硫黄島などの火山列島の島々とともに南回帰線の南に位置し、夏緑樹林のバイオーム(生物群系)が見られる。南鳥島は我が国の最東端の島で、最南端は沖ノ鳥島です。
- ⑷ 福島第一原子力発電所の廃炉作業の一つとして燃料デブリの取り出しがあり、令和6(2024)年にその試験的な取り出しに成功した。核燃料が、冷却できずに過熱して溶け、炉内の構造物と混じりながら冷え固まったものを、燃料デブリという。放射性物質の放射能の強さを表す単位にはベクレルを、放射線の人体に対する影響を表す単位にはシーベルトを用いる。燃料デブリの定義と、放射能と放射線の単位の使い分けが正しく書かれています。
- ⑸ 我が国では、温室効果ガスの排出を削減するため、現在、石炭火力発電所に対してボイラーにアンモニアを混ぜて燃焼させる混焼を義務付けており、さらに、令和6(2024)年、実証実験として愛知県でアンモニア専焼の火力発電所の運転を開始した。なお、アンモニアは強酸性で人体には有害な物質であり、体内で生じたアンモニアは、胆のうで無害な尿素につくりかえられる。アンモニアの混焼は義務付けられておらず、アンモニアは塩基性で、尿素は肝臓でつくられます。
解説
正解は⑷です。燃料デブリは、冷却できなくなった核燃料が過熱して溶け、炉内の構造物と混じりながら冷え固まったものを指します。令和6年には福島第一原子力発電所で試験的な取り出しに成功しました。放射能の強さを表す単位はベクレル、人体への影響を表す単位はシーベルトで、区別して覚えることが大切です。ほかの選択肢は、物質の名前や地形、島の位置などが事実と入れ替わっています。
出典:人事院ホームページ(https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/mondairei_15.html)を加工して作成