近年の芸術をめぐる動きなどに関する記述として最も妥当なのはどれか。
近年の芸術をめぐる動きなどに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ⑴ 令和7(2025)年6月、映画の『国宝』が公開され、同年11月には興行収入が邦画の実写作品では歴代1位となった。この映画は、歌舞伎役者になった主人公が人間国宝になるまでを描いた作品である。歌舞伎は、阿国歌舞伎に始まる女歌舞伎、続いて若衆歌舞伎が禁止された後に野郎歌舞伎として発展し、江戸時代の元禄期に坂田藤十郎や市川団十郎(團十郎)などを輩出した。『国宝』の公開と、歌舞伎の移り変わりの説明が正しいです。
- ⑵ 令和7(2025)年7月、史上初めて同一作品が芥川賞と直木賞を同時に受賞したことが発表されたが、同年は『友情』と『暗夜行路』で二度芥川賞を受賞した三島由紀夫の生誕150年に当たり、各地で同氏の企画展などが行われた。彼は、白樺派の一員として『太陽のない街』でデビューした後、日中戦争が始まると『麦と兵隊』などの戦争文学作品を著した。『友情』は武者小路実篤、『暗夜行路』は志賀直哉の作品です。
- ⑶ 令和7(2025)年7月、世界的に優れたデザイナーに贈られる英国のダガー賞を、日本人として初めて我が国の書道家が受賞した。我が国の書道では、奈良時代に漢の顔真卿の影響を受けた優美な書体を得意とする空海や小野道風らの三筆が出て、平安時代には唐の王羲之の影響を受けた力強い書体を得意とする小野小町や藤原秀衡らの三蹟(三跡)が出た。三筆は空海ら、三蹟は小野道風らで、人物が入れ替わっています。
- ⑷ 令和7(2025)年9月、文化庁が所管する特殊法人である二科会が主催する第109回二科展が開催されたが、応募作品が少なく初めて入選者が選ばれない結果となった。二科会は、文部省が西洋画家の滝廉太郎と日本画家の高村光雲に創設させた文部省美術展覧会(文展)が前身であり、西洋画と日本画の二部門から成るため「二科会」と呼ばれるようになった。二科会は文展に対抗して生まれた在野の美術団体です。
- ⑸ 令和7(2025)年11月、チャイコフスキー国際ピアノコンクールで日本人ピアニストが第1位を獲得し、これで同年に行われたいわゆる世界三大音楽コンクールの全てで日本人が第1位を獲得する史上初の快挙を達成した。チャイコフスキーは、ピアノの詩人と呼ばれるポーランドの作曲家で、その門下からモーツァルトらを輩出したため「近代音楽の父」と呼ばれる。ピアノの詩人と呼ばれるポーランドの作曲家はショパンです。
解説
正解は⑴です。映画『国宝』は2025年6月に公開され、邦画の実写作品で歴代1位の興行収入となりました。歌舞伎が女歌舞伎、若衆歌舞伎を経て野郎歌舞伎へ移り、元禄期に坂田藤十郎や市川団十郎を生んだという流れも正しい説明です。ほかの選択肢は、作家や受賞歴、書道の三筆・三蹟の人物、二科会の成り立ち、作曲家の説明がいずれも入れ替わっています。
出典:人事院ホームページ(https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/mondairei_15.html)を加工して作成