気象や災害とそれらをめぐる最近の動きに関する記述として最も妥当なのはどれか。
気象や災害とそれらをめぐる最近の動きに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ⑴ 我が国の春から夏の変わり目には、偏西風が強くなり、オホーツク海高気圧の勢力が増す。この高気圧に覆われると、晴れて日射が強くなり、全国的に暑い日が続く。気象庁は、気温が35度を超えた段階で熱中症警戒アラートを発表し、熱中症への警戒を呼び掛けている。このアラートは1990年代から導入されており、2020年には、アラートが発表された際に公共施設を「クーリングシェルター」として開放することが各自治体に義務付けられた。春から夏の変わり目に勢力を増すのはオホーツク海高気圧ですが、覆われると気温は下がります。
- ⑵ 我が国の2023年の夏(6〜8月)の全国平均気温は、統計開始以来、最も高かった。世界各地でも高い気温となり、同年7月に国連の事務総長は、「地球沸騰化の時代が来た」と表現した。地球温暖化が進むと、氷河の融解や海水の膨張による海面上昇が予測される。サンゴ礁でできたインド洋のモルディブや太平洋上のツバルなどの島々は、海面が上昇すると水没するおそれがある。2023年の夏の記録と、温暖化による海面上昇の仕組みが正しく書かれています。
- ⑶ 我が国の夏から秋の変わり目には、シベリア高気圧の勢力が増し、西高東低の気圧配置となる。その時期に発生する秋雨前線に台風が近づき大雨をもたらす現象を、線状降水帯という。線状降水帯の発生予測は非常に困難なため、2023年現在、気象庁は、予測情報を出さず、線状降水帯が発生した際に速やかに「顕著な大雨に関する情報」を発表し、安全の確保を呼び掛けている。西高東低は冬の気圧配置で、線状降水帯については予測情報も出されています。
- ⑷ 地震の程度を表す尺度に震度とマグニチュードがある。マグニチュードは、ある地点の地震動の強さの程度を表し、マグニチュードが1大きくなると地震のエネルギーは2倍、2大きくなると4倍に増える。2023年、トルコでマグニチュード7.8の地震が発生し、トルコとシリアで多数の死者、行方不明者が出た。被害が拡大した要因として耐震基準の運用の緩さが指摘されており、この地震を受けて、我が国では耐震基準の見直しが行われた。マグニチュードが1大きくなるとエネルギーはおよそ32倍になります。
- ⑸ 2023年、ハワイのマウイ島で大規模な山火事が発生し、カモノハシやハリモグラといった固有種の生息地に甚大な被害をもたらした。山火事の主な原因は、伝統的な農業形態である焼畑農耕からの延焼と考えられている。山火事によって森林が大きく破壊された場合、土壌がない裸地となり、水分量が減少する。そのため、溶岩流の跡地などから始まる遷移と比べて、遷移が遅く進行する。カモノハシやハリモグラはオーストラリア周辺の動物で、ハワイの固有種ではありません。
解説
正解は⑵です。2023年の夏の全国平均気温は統計開始以来最も高く、同年7月には国連の事務総長が「地球沸騰化の時代が来た」と表現しました。地球温暖化が進むと、氷河の融解や海水の膨張によって海面が上昇すると予測され、標高の低い島々は水没のおそれがあります。ほかの選択肢は、気圧配置や地震の尺度、生物の分布など、理科の基本的な事実が入れ替わっています。
出典:人事院ホームページ(https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/mondairei_15.html)を加工して作成