退院後6か月。A さんは人工呼吸器を装着して特別支援学校に通学することにも慣れて…
次の文を読み115〜117 の問いに答えよ。A さん(14 歳、男子、特別支援学校の中学生)はDuchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。A さんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。
退院後6か月。A さんは人工呼吸器を装着して特別支援学校に通学することにも慣れてきた。A さんの母親から「弟がインフルエンザと診断された。弟は2階の子ども部屋、A は1階のリビングで過ごしている。家族全員がインフルエンザの予防接種を受けた。A にインフルエンザがうつらないか心配」と訪問看護師に連絡があった。訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
- ⑴ A さんが特別支援学校を2週間休むことを勧める。通学を長く休ませても家庭内での接触が続けば感染は防げません。学校生活の機会を不要に奪うことになり、対策の要点も外れています。
- ⑵ A さんが感染予防の目的で入院することを医師に相談する。感染予防のための入院は、かえって他の病原体に触れる機会を増やします。まず家庭内での接触を分ける対策を行います。
- ⑶ A さんは予防接種を受けているのでうつらないと説明する。予防接種は重症化を防ぐ効果が中心で、感染しないとはいえません。心配ないと言い切る説明は誤りです。
- ⑷ ケアを父母で分担し、弟の担当は弟以外と接触しないことを提案する。世話をする人を分けて弟を担当する人が他の家族と接触しないようにすることで、家庭内での感染の広がりを抑えられます。
解説
正解は⑷です。家庭内で感染者が出た場合の基本は、感染者と他の家族の生活空間を分け、世話をする人を決めて接触する人を最小限にすることです。弟は2階の子ども部屋で過ごし、Aさんは1階のリビングにいるという環境を生かし、ケアを父母で分担して弟を担当する人は弟以外と接触しないようにする提案が適切です。手洗いとマスクの徹底もあわせて伝えます。予防接種を受けていても感染しないとはいえず、感染予防のための入院は別の感染の危険を生みます。根拠なく通学を制限することも生活を不要に狭めるため適切ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成