A さんはR-CHOP 療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、…
次の文を読み94〜96 の問いに答えよ。A さん(43 歳、男性、会社員)は、1か月前に右頸部の腫瘤を自覚した。大学病院で非Hodgkin〈ホジキン〉リンパ腫と診断され化学療法導入目的で入院した。バイタルサイン:体温37.1 ℃、呼吸数16/分、脈拍84/分、整。身体所見:顔面に浮腫を認める。検査所見:Hb 12.8 g/dL、白血球6,400/μL、総蛋白7.6 g/dL、アルブミン4.1g/dL。胸部造影CT:縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫を認める。
A さんはR-CHOP 療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を受けた。A さんのR-CHOP 療法の初日に生じる可能性がある合併症はどれか。
- ⑴ 脱毛脱毛は抗癌薬投与の2〜3週後ころから現れます。治療初日に生じる合併症ではありません。
- ⑵ 口内炎口内炎は粘膜の細胞が障害されて1〜2週後ころに現れます。初日に生じるものではありません。
- ⑶ 低血糖R-CHOP療法にはプレドニゾロンが含まれるため、むしろ血糖は上がりやすくなります。低血糖は考えにくい合併症です。
- ⑷ 好中球減少症好中球減少は投与後7〜14日ころに最低値となります。治療初日に生じる合併症ではありません。
- ⑸ 腫瘍崩壊症候群腫瘍細胞が急速に壊れて電解質と尿酸が血中に放出されるため、治療開始当日から起こりうる合併症です。
解説
正解は⑸です。腫瘍崩壊症候群は、化学療法によって腫瘍細胞が急速に壊れ、細胞内のカリウム、リン、核酸が一気に血中へ放出されることで、高カリウム血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、高尿酸血症を生じ、急性腎障害や不整脈に至る病態です。悪性リンパ腫のように腫瘍の量が多く薬に反応しやすい場合に、治療開始の当日から数日の早い時期に起こりやすいため、輸液による尿量の確保、尿酸の産生を抑える薬の使用、電解質と腎機能の頻回な確認が必要です。脱毛、口内炎、好中球減少はいずれも数日から数週後に現れます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成