A さんの顔面の浮腫の原因で考えられるのはどれか。
次の文を読み94〜96 の問いに答えよ。A さん(43 歳、男性、会社員)は、1か月前に右頸部の腫瘤を自覚した。大学病院で非Hodgkin〈ホジキン〉リンパ腫と診断され化学療法導入目的で入院した。バイタルサイン:体温37.1 ℃、呼吸数16/分、脈拍84/分、整。身体所見:顔面に浮腫を認める。検査所見:Hb 12.8 g/dL、白血球6,400/μL、総蛋白7.6 g/dL、アルブミン4.1g/dL。胸部造影CT:縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫を認める。
A さんの顔面の浮腫の原因で考えられるのはどれか。
- ⑴ 発熱37.1℃の発熱は浮腫を生じる機序をもちません。顔面の浮腫の原因として説明できません。
- ⑵ 貧血Hbは12.8g/dLで、顔面の浮腫を生じるほどの貧血ではありません。浮腫の原因としては考えにくいです。
- ⑶ 低蛋白血症総蛋白7.6g/dL、アルブミン4.1g/dLはいずれも基準範囲内です。低蛋白血症による浮腫は考えられません。
- ⑷ 上大静脈の圧迫縦隔リンパ節の腫大による上大静脈の圧迫により、頭部や顔面からの静脈血が戻りにくくなって浮腫が生じます。
解説
正解は⑷です。胸部造影CTで縦隔リンパ節の腫大による上大静脈の圧迫が認められています。上大静脈が圧迫されると頭部、顔面、上肢からの静脈血が心臓へ戻りにくくなり、顔面や上肢の浮腫、頸部や前胸部の静脈の拡張、頭重感や息苦しさが生じます。これを上大静脈症候群といい、悪性リンパ腫や肺癌でみられます。総蛋白7.6g/dL、アルブミン4.1g/dLはいずれも基準範囲内で低蛋白血症はなく、Hb 12.8g/dLで浮腫を説明できる貧血もありません。37.1℃の体温は浮腫の原因にはなりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成