A さんに認められるのはどれか。
次の文を読み112〜114 の問いに答えよ。A さん(22 歳、男性)は、高校卒業後に就職したが、同僚との関係がうまく築けず、転職を繰り返している。「他の人と自分はどこか違う。自分の将来が不安だ」と感じたA さんは精神科クリニックを受診し、自閉症スペクトラム障害と診断された。A さんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないときがあり、対人関係を築くことが苦手で、学校で孤立していた。また、偏食が強く、るいそうがみられたために、同級生から容姿のことでいじめられたことがあった。中学校や高校では忘れ物が多く、集団生活になじめなかった。
A さんに認められるのはどれか。
- ⑴ 被害妄想被害妄想は、他人が自分に害を与えているという訂正できない確信です。Aさんは他人との違いや将来を不安に感じているだけで、妄想を示す記述はありません。
- ⑵ 予期不安予期不安は、また発作が起きるのではないかという不安で、パニック症でみられます。Aさんの将来への不安はこれとは異なります。
- ⑶ ボディイメージの障害ボディイメージの障害は自分の体型の認識がゆがむもので、摂食障害でみられます。Aさんの痩せは偏食によるもので、体型の認識のゆがみを示す記述はありません。
- ⑷ コミュニケーションの障害他人の気持ちが理解しにくく対人関係を築けないという長年の特徴は、自閉症スペクトラム障害の中核であるコミュニケーションの障害にあたります。
解説
正解は⑷です。自閉症スペクトラム障害の中核となる特徴は、対人的な相互交流とコミュニケーションの障害、および限定された興味やこだわりです。Aさんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないことがあり、対人関係を築くことが苦手で学校で孤立し、就職後も同僚との関係がうまく築けずに転職を繰り返しています。これらはコミュニケーションの障害として理解できます。被害妄想を示す記述はなく、将来への不安はパニック症でみられる予期不安とは異なります。偏食による痩せはありますが、体型の認識のゆがみを示す記述はないためボディイメージの障害には当たりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成