A さんは、3か月前に末期腎不全の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓…
次の文を読み94〜96 の問いに答えよ。A さん(56 歳、男性、会社員)は、デスクワークが多い仕事をしている。40 歳時の会社の健康診断で2型糖尿病と診断され、紹介されたクリニックで血糖降下薬を処方されて内服を継続していた。50 歳ころから視力の低下と持続性蛋白尿を指摘され、腎臓内科を受診し食事指導を受けた。しかし、仕事が忙しく食事指導の内容を守れていなかった。1年前から、足のしびれが出現するようになった。
A さんは、3か月前に末期腎不全の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。1週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身倦怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。入院時の身体所見:体重73 kg(1週間で4kg 増加)、血圧178/105 mmHg。入院時の検査所見:Hb 9.5 g/dL、血清尿素窒素72 mg/dL、血清クレアチニン9.0 mg/dL、血清カリウム6.8 mEq/L、血清ナトリウム138.5 mEq/L。緊急入院時のA さんの胸部エックス線写真(別冊No. 5)を別に示す。A さんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。
- ⑴ 貧血貧血はありますが、緊急透析の理由にはなりません。
- ⑵ 心不全体液がたまり、肺のうっ血と呼吸の苦しさが現れています。
- ⑶ 低カリウム血症カリウムは6.8と高く、低カリウム血症ではありません。
- ⑷ 低ナトリウム血症ナトリウムは正常の範囲にあります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。1週間で4キログラムの体重増加と全身のむくみ、呼吸の苦しさがあり、胸部エックス線写真でも心臓の拡大と肺のうっ血がみられることから、体液がたまって心不全を起こしていると判断できます。カリウムは6.8と高く、ナトリウムは正常です。貧血だけで緊急透析にはなりません。関連する内容もあわせて確かめ、つながりで覚えておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-03_04_05.html)を加工して作成