救命された児は母との面会のあとNICU に入院となった。児は保育器に収容され、人…
次の文を読み47〜49 の問いに答えよ。在胎週数32 週、出生体重1,800 g、児心音低下のため緊急帝王切開で出生した男児。出生直後、 泣なく筋緊張は低下。温めたタオルで羊水を拭き取り、口鼻腔内から白色の分泌物を吸引した。心拍は6秒間に3回であった。直ちに人工呼吸が行われ、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニターと心電図モニターが装着された。生後2 分が経過しても自発呼吸を認めなかったため、気管挿管による人工呼吸と胸骨圧迫が開始された。生後5分の評価で、心拍数50/分、自発呼吸はなく、全身性チアノーゼを認めた。
救命された児は母との面会のあとNICU に入院となった。児は保育器に収容され、人工呼吸器が装着された。血液検査や胸腹部エックス線撮影の結果、呼吸窮迫症候群と診断され人工肺サーファクタント補充療法が行われた。1 時間後の児のバイタルサインは体温37.0 ℃、心拍数138/分、血圧48/28mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94 %(上肢)、83 %(下肢)で上下肢差を認めた。考えられる病態はどれか。
- ⑴ 壊死性腸炎腹部膨満や血便を伴う疾患で、所見が異なります。
- ⑵ 大血管転位症大血管転位症では、下肢の方が高くなります。
- ⑶ 胎便吸引症候群羊水混濁はなく、胎便吸引症候群は考えにくくなります。
- ⑷ 新生児遷延性肺高血圧症動脈管を通る右左短絡により、上下肢差が生じます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。酸素飽和度が上肢94%に対して下肢83%と差があることは、動脈管を通って右から左へ血液が流れていることを示します。肺の血管の抵抗が下がらないために起こる新生児遷延性肺高血圧症が考えられます。壊死性腸炎は腹部の症状、大血管転位症は逆に下肢が高くなり、胎便吸引症候群は羊水混濁を伴います。一酸化窒素の吸入など治療が必要になるため、速やかに医師へ報告します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-03_04_05.html)を加工して作成