A さんは入院翌日、経腟分娩で男児を出産した。羊水混濁は認めなかった。出生直後の…
次の文を読み48〜50 の問いに答えよ。A さん(34 歳、初妊婦)。産婦人科に通院し、妊婦健康診査を受けていた。妊娠30 週0 日に規則的な子宮収縮を自覚して来院し、緊急入院となった。バイタルサインは、体温38.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍100/分、血圧130/80 mmHg。胎児心拍数モニタリングで胎児心拍基線170 bpm であった。内診所見では、頭位、子宮口2cm 開大、未破水。腟分泌物に少量血液が混じっており、悪臭を伴っていた。血液検査は、白血球数18,000/μL、CRP 3.0 mg/dL。尿検査では尿混濁はなく、尿蛋白(−)、尿糖(−)であった。
A さんは入院翌日、経腟分娩で男児を出産した。羊水混濁は認めなかった。出生直後の児は 泣を認めるが、呼吸数60/分、心拍数140/分。鼻翼呼吸、呻吟、陥没呼吸、中心性チアノーゼを認め、マスクを用いた持続的気道陽圧呼吸療法〈CPAP〉が行われた。しかし、努力呼吸とチアノーゼに改善が認められず、気管挿管による人工呼吸が開始された。児の状況で最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 喉頭軟化症喉頭軟化症では、吸気性喘鳴が主な症状となります。
- ⑵ 肺動脈閉鎖症肺動脈閉鎖症では、心雑音を伴うことが多くなります。
- ⑶ 呼吸窮迫症候群早産児に多く、努力呼吸がそろう典型的な経過です。
- ⑷ 胎便吸引症候群羊水混濁はなく、胎便吸引症候群は否定的です。
解説
正解は⑶です。在胎30週の早産児に、呻吟、鼻翼呼吸、陥没呼吸、中心性チアノーゼという努力呼吸がそろっており、肺サーファクタントの不足による呼吸窮迫症候群が最も考えられます。羊水混濁はなく胎便吸引症候群は否定的で、喉頭軟化症では吸気性喘鳴が主となり、肺動脈閉鎖症では心雑音を伴うことが多くなります。人工肺サーファクタントの補充療法に備え、速やかに医師へ報告します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-03_04_05.html)を加工して作成