この時点で、夫に対して伝える内容として適切なのはどれか。
次の文を読み54 の問いに答えよ。A さん(28 歳、初産婦)。産婦人科病院にて妊婦健康診査を受けていた。合併症はなく、妊娠経過および胎児の発育は順調であった。妊娠32 週以降、胎位は骨盤位であった。経腟分娩と帝王切開術のそれぞれに関する胎児および母体のリスクについて主治医からの説明を受けて、A さんと夫は帝王切開術を選択し、文書による同意をした。妊娠38 週5日、脊髄くも膜下麻酔にて帝王切開術が実施された。体重3,210g の男児を出産し、術中出血量は羊水を含め800 mL で、手術経過は順調であった。手術後8時間までA さんの全身状態に異常を認めていなかった。手術翌日の朝7時、助産師がA さんの病室を訪れたところ、心肺停止の状態であった。助産師からの連絡で主治医が駆けつけ蘇生が開始されたが反応せず、A さんの死亡が確認された。Aさんの死亡原因は特定できていない。死亡の連絡を受けたA さんの夫が病院に到着した。当初、夫は混乱した様子であったが主治医と助産師からの状況の説明後に少し落ち着きを取り戻した。
この時点で、夫に対して伝える内容として適切なのはどれか。
- ⑴ 「A さんの司法解剖が必要です」司法解剖の要否を、医療者が判断することはできません。
- ⑵ 「産科医療補償制度の対象になります」産科医療補償制度の対象は、母親ではなく児です。
- ⑶ 「帝王切開術の合併症による死亡ではありません」原因が明らかでない段階で、断定することはできません。
- ⑷ 「医療事故調査の実施について病院内で検討を行います」制度の対象になるかを、院内で検討する方針を伝えます。
解説
正解は⑷です。医療に起因する予期しなかった死亡が疑われる場合、医療機関はまず院内で医療事故調査制度の対象になるかどうかを検討します。その方針を家族に伝えることが適切です。司法解剖を医療者が判断することはできず、産科医療補償制度の対象は児であり、合併症による死亡かどうかを現時点で断定することもできません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-03_04_05.html)を加工して作成