児の出生体重は2,350 g。病棟で保育器に収容し、room air で呼吸状態…
次の文を読み47〜49 の問いに答えよ。A さん(32 歳、初産婦)。妊娠35 週0日、破水と陣痛発来で来院した。羊水混濁や胎児心拍の異常は認めず、来院後5時間で、経腟分娩となった。児は出生時、筋緊張の低下を認め自発呼吸がなかった。体位を整えて口鼻腔内吸引を行い、身体の羊水を拭き取った後、皮膚刺激を行った。約1分間皮膚刺激を行っても自発呼吸が認められず、心拍数は6秒間に4回であったため、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニターを装着し、生後2分からroom air で人工呼吸を開始した。約30 秒間人工呼吸を行ったところ、 泣を始め、心拍数130/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉80 % であった。人工呼吸を中止したところ努力呼吸は認めなかったため、生後10 分まで観察を継続した後に蘇生を終了し、病棟で呼吸状態を観察することとした。
児の出生体重は2,350 g。病棟で保育器に収容し、room air で呼吸状態を観察していた。出生30 分後のバイタルサインは、呼吸数100/分、心拍数150/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98 % で、陥没呼吸および呻吟が認められた。胸部エックス線写真(別冊No. 4)を別に示す。次に行う治療で適切なのはどれか。
- ⑴ 胸腔穿刺気胸を示す所見はなく、適応になりません。
- ⑵ 胸骨圧迫心拍数は保たれており、胸骨圧迫は不要です。
- ⑶ 経鼻的CPAP 療法気道に陽圧をかけ、肺胞の虚脱を防ぐことができます。
- ⑷ キサンチン系薬の静脈内注射無呼吸発作に用いる薬で、この状況では使いません。
- ⑸ 肺サーファクタント補充療法在胎35週であり、まず呼吸補助から始めます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。呼吸数100回の多呼吸に陥没呼吸と呻吟を伴い、酸素飽和度は保たれている状態は、肺胞がつぶれやすくなっていることを示します。経鼻的CPAP療法で気道に陽圧をかけ、肺胞の虚脱を防ぐことが適切です。気胸の所見はなく、心拍数も保たれており、キサンチン系薬やサーファクタントの適応ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-03_04_05.html)を加工して作成