83 歳の女性。食欲不振と全身倦怠感を主訴に来院した。両下肢のしびれと筋けいれん…
83 歳の女性。食欲不振と全身倦怠感を主訴に来院した。両下肢のしびれと筋けいれんがある。検査の結果、胃癌と診断され、入院となった。入院後も食事をほとんど摂れず、輸液療法でグルコースを中心に必要なエネルギーを補充する方針とした。輸液に添加するビタミンで優先度が高いのはどれか。
- ⑴ ビタミンAビタミンAの欠乏は夜盲症などを来しますが、本例で最も優先すべきではありません。
- ⑵ ビタミンB1糖を投与するとビタミンB1が消費され、欠乏によるWernicke脳症などを防ぐため優先されます。
- ⑶ ビタミンB12ビタミンB12は胃切除後などで不足しますが、糖輸液時に最優先ではありません。
- ⑷ ビタミンDビタミンDは骨代謝に関わりますが、本例で最も優先すべきではありません。
- ⑸ ビタミンKビタミンKは凝固因子の合成に必要ですが、本例で最も優先すべきではありません。
解説
正解は⑵です。食事がほとんど摂れていない低栄養の高齢者に、グルコースを中心とした輸液を行う場合、糖代謝の補酵素であるビタミンB1(チアミン)が大量に消費されるため、欠乏を来しやすくなります。ビタミンB1欠乏はWernicke脳症や乳酸アシドーシス、脚気心を起こす危険があり、本例の両下肢のしびれも脚気による末梢神経障害の可能性があります。輸液開始時にはビタミンB1を必ず添加し、リフィーディング症候群にも注意します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成