68 歳の男性。むくみを主訴に来院した。55 歳時から逆流性食道炎に対し①プロト…
68 歳の男性。むくみを主訴に来院した。55 歳時から逆流性食道炎に対し①プロトンポンプ阻害薬を内服している。60 歳時から夜間頻尿があり、前立腺肥大症の治療薬として②α 遮断薬を内服している。65 歳時まで体育教師として働いていたが、退職後は夜、なかなか寝付けなくなり、③オレキシン受容体拮抗薬の内服をしている。また、健診でLDL コレステロールが徐々に上昇し、今年初めて「要治療」と判定された。自宅近くの医療機関を受診し、生活習慣の改善でもLDL コレステロールは低下せず、4 か月前から④スタチンの内服を開始した。3 か月前から下腿に筋肉痛が出現し、市販の⑤NSAID を服用していた。1 か月前から両足背にむくみを自覚し、指で足の皮膚を押すとへこむようになった。むくみの改善がないため受診した。下線部のうち、この患者のむくみの原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ ①PPIは浮腫の原因として一般的ではありません。
- ⑵ ②α遮断薬は起立性低血圧の原因となりますが、浮腫の原因としては一般的ではありません。
- ⑶ ③オレキシン受容体拮抗薬は浮腫の原因として一般的ではありません。
- ⑷ ④スタチンは筋肉痛の原因と考えられますが、浮腫の原因ではありません。
- ⑸ ⑤NSAIDは腎のプロスタグランジン産生を抑え、ナトリウムと水の貯留による浮腫を来します。
解説
正解は⑸です。NSAIDはシクロオキシゲナーゼを阻害して腎でのプロスタグランジン産生を抑制し、腎血流と糸球体濾過量を低下させるとともに、ナトリウムと水の再吸収を促進するため、体液貯留による浮腫を来します。本例はスタチン開始後の筋肉痛に対して市販のNSAIDを3か月間服用しており、その後に圧痕性浮腫が出現しています。PPI、α遮断薬、オレキシン受容体拮抗薬、スタチンは浮腫の原因として一般的ではないと考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成