25 歳の女性。右下腿の皮疹を主訴に来院した。1 週間前に右下腿に小丘疹が出現し…
25 歳の女性。右下腿の皮疹を主訴に来院した。1 週間前に右下腿に小丘疹が出現し、搔破後に急速に潰瘍が拡大した。その後、潰瘍は多発してきた。潰瘍性大腸炎で治療中である。体温36.1 ℃。下腿は強い疼痛を伴い、潰瘍辺縁は紫紅色調を呈している。潰瘍部の細菌培養は陰性。病変部の病理検査で真皮に好中球の浸潤を多数認めるが、乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を認めない。右下腿の皮疹の写真(別冊No. 29)を別に示す。診断はどれか。
- ⑴ 結節性紅斑結節性紅斑は下腿の有痛性の紅斑・結節で、潰瘍は形成しません。
- ⑵ 硬結性紅斑硬結性紅斑は結核に関連し、乾酪壊死を伴う肉芽腫を認めます。
- ⑶ 壊死性筋膜炎壊死性筋膜炎は重篤な細菌感染症で、全身状態の悪化を伴い培養も陽性となります。
- ⑷ 壊疽性膿皮症炎症性腸疾患に合併し、紫紅色の辺縁を伴う疼痛性潰瘍で好中球浸潤を示します。
- ⑸ 血栓性静脈炎血栓性静脈炎は静脈に沿った索状の硬結と発赤で、潰瘍の多発はみられません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。潰瘍性大腸炎で治療中の若年女性で、下腿の小丘疹が掻破などの刺激後に急速に拡大し、強い疼痛を伴う潰瘍が多発しています。潰瘍辺縁は紫紅色で穿掘性となり、細菌培養は陰性、病理では真皮に好中球が多数浸潤しており、好中球性皮膚症である壊疽性膿皮症と考えられます。炎症性腸疾患や関節リウマチ、血液疾患に合併しやすく、外的刺激で悪化する(パテルギー)ため、デブリードマンは避け、ステロイドなどで治療します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成