32 歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。1 か月前から労作時の呼吸困難を自覚し…
32 歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。1 か月前から労作時の呼吸困難を自覚していた。徐々に症状が増悪するため受診した。意識は清明。身長170 cm、体重88 kg。体温36.6 ℃。脈拍96/分、整。血圧128/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 90 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。心音はⅠ音正常、Ⅱ音亢進を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部はやや膨満。下腿浮腫を認める。受診時の12 誘導心電図(別冊No. 4A)と胸部エックス線写真(別冊No. 4B)とを別に示す。診断のための検査で優先度が低いのはどれか。
- ⑴ 抗核抗体検査膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症の評価に抗核抗体検査は必要です。
- ⑵ 呼吸機能検査肺疾患に伴う肺高血圧症の評価に呼吸機能検査は必要です。
- ⑶ 心エコー検査肺動脈圧と右心機能を評価する心エコーは最も重要な検査です。
- ⑷ 頸動脈エコー検査頸動脈エコーは動脈硬化の評価であり、肺高血圧症の診断での優先度は低いです。
- ⑸ 肺換気および血流シンチグラフィ慢性血栓塞栓性肺高血圧症の除外に肺換気血流シンチグラフィは重要です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。若年女性で労作時呼吸困難、低酸素血症、頸静脈怒張、Ⅱ音亢進、下腿浮腫を認め、心電図や胸部X線でも右心負荷が示されると考えられることから、肺高血圧症と右心不全が疑われます。診断には心エコーで肺動脈圧と右心機能を評価し、原因として膠原病(抗核抗体)、肺疾患(呼吸機能検査)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(肺換気血流シンチグラフィ)を検索します。頸動脈エコーは動脈硬化の評価で、優先度は低いです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成