この患者で認める可能性が高い身体所見はどれか。
22 歳の女性。発熱を主訴に来院した。現病歴 : 2 週間前から39 ℃を超える発熱が連日出現し、1 週間前に自宅近くの診療所を受診した。解熱鎮痛薬と抗菌薬が処方されたが、その後も発熱が続き、咽頭痛、膝と手指の関節痛も出現したため、受診した。既往歴 : 3 歳時に肺炎。生活歴 : 喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。家族歴 : 特記すべきことはない。現 症 : 意識は清明。体温39.4 ℃。脈拍112/分、整。血圧98/50mmHg。呼吸数22/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左肋骨弓下に脾を1 cm 触知する。両膝と近位指節間関節とに腫脹と圧痛を認める。四肢に径1 ~2 cm の淡い紅斑を複数認める。皮膚硬化を認めない。検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球422 万、Hb 11.2 g/dL、Ht 42 %、網赤血球2.2 %、白血球16,300(桿状核好中球15 %、分葉核好中球70 %、単球6 %、リンパ球9 %)、血小板36 万。血液生化学所見:総蛋白7.5 g/dL、アルブミン3.5 g/dL、IgG 1,614 mg/dL(基準861~1,747)、IgA 166 mg/dL(基準93~393)、IgM 166 mg/dL(基準50~269)、総ビリルビン0.4 mg/dL、直接ビリルビン0.2 mg/dL、AST 288 U/L、ALT 165U/L、LD 322 U/L(基準124~222)、ALP 126 U/L(基準38~113)、γ-GT 32 U/L(基準9 ~32)、CK 66 U/L(基準41~153)、尿素窒素22 mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、尿酸4.9 mg/dL、血糖98 mg/dL、TSH 3.6 μU/mL(基準0.2~4.0)、FT32.8 pg/mL(基準2.3~4.3)、FT41.6 ng/dL(基準0.8~2.2)、フェリチン2,266 ng/mL(基準20~120)。免疫血清学所見:CRP 12.2 mg/dL、抗核抗体陰性、リウマトイド因子〈RF〉陰性、抗SS-A 抗体陰性、C3 132 mg/dL(基準52~112)、C4 51 mg/dL(基準16~51)。血液培養は陰性。
この患者で認める可能性が高い身体所見はどれか。
- ⑴ 脱毛脱毛は全身性エリテマトーデスなどでみられ、成人発症Still病の特徴ではありません。
- ⑵ 手指潰瘍手指潰瘍は全身性強皮症などでみられる所見です。
- ⑶ 舌乳頭萎縮舌乳頭萎縮は鉄欠乏性貧血やビタミンB12欠乏でみられます。
- ⑷ Gottron 徴候Gottron徴候は皮膚筋炎に特徴的な所見です。
- ⑸ リンパ節腫大成人発症Still病ではリンパ節腫大がしばしばみられます。
解説
正解は⑸です。若年女性で、2週間以上続く39℃以上の弛張熱、関節痛、咽頭痛、淡い紅斑、好中球優位の白血球増多、肝機能障害、脾腫、フェリチンの著明な上昇を認め、抗核抗体とリウマトイド因子が陰性であることから、成人発症Still病が考えられます。山口の分類基準では、リンパ節腫脹または脾腫が小項目に含まれており、本症ではリンパ節腫大を認める可能性が高いです。感染症や悪性腫瘍、他の膠原病の除外が診断に必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成