82 歳の男性。脳梗塞による左片麻痺、脳血管性認知症のため入院中である。寝たきり…
82 歳の男性。脳梗塞による左片麻痺、脳血管性認知症のため入院中である。寝たきりの状態で経口摂取が困難であり、①経鼻経管栄養を行っている。右胸部違和感を訴え、今朝血痰を認めた。既往歴に慢性閉塞性肺疾患、脂質異常症、高血圧症および完全房室ブロックがある。過去の胸部単純CT では②気腫性変化が著明であった。また③大動脈の石灰化を指摘されており、④心臓ペースメーカ植え込み術を受けている。喫煙は20 本/日を52 年間。意思疎通は可能であるが、⑤絶えず右半身を動かしておりじっとしていられない。胸部エックス線写真で右肺野に結節影が疑われる。原因検索のため、胸部単純CT を行うこととした。下線部のうち、この患者の胸部単純CT で、アーチファクトの原因となるのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ ①経鼻胃管は画像に写りますが、通常大きなアーチファクトの原因とはなりません。
- ⑵ ②気腫性変化は実際の病変であり、アーチファクトではありません。
- ⑶ ③大動脈の石灰化は実際の所見で、強いアーチファクトの原因にはなりにくいです。
- ⑷ ④ペースメーカは金属のため、金属アーチファクトの原因となります。
- ⑸ ⑤絶え間ない体動はモーションアーチファクトの原因となります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。CTのアーチファクトは画像上に実際には存在しない像が生じるもので、金属による高吸収の金属アーチファクトや、検査中の体動によるモーションアーチファクトが代表的です。ペースメーカ本体やリードは金属であり、周囲に放射状の線状アーチファクトを生じます。また、じっとしていられず絶えず体を動かしている状態では体動によるアーチファクトが生じます。経鼻胃管、気腫性変化、大動脈石灰化は画像に写りますが、問題となるアーチファクトの原因にはなりにくいです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成