72 歳の女性。下部消化管内視鏡検査を希望して来院した。6 か月前の健康診断で便…
72 歳の女性。下部消化管内視鏡検査を希望して来院した。6 か月前の健康診断で便潜血陽性を指摘されたが、自覚症状がなく精密検査は受けていなかった。1 か月前から便秘がちとなり、3 日前から腹部膨満が出現した。昨日から悪心があり、食事量が減っている。今朝排ガスはあったが、排便はない。腹部は膨隆し、腸雑音は亢進している。この患者に下部消化管内視鏡検査を検討するにあたり、適切な対応はどれか。
- ⑴ 制吐薬を処方する。制吐薬で症状を抑えても原因の評価にはならず、腸閉塞の診断が優先されます。
- ⑵ 便潜血検査を再検する。便潜血は既に陽性で、再検しても診断方針は変わりません。
- ⑶ 腸管洗浄液を内服させる。腸閉塞が疑われる状態での腸管洗浄液内服は穿孔の危険があり禁忌です。
- ⑷ 腹部エックス線撮影を行う。腸閉塞の有無を評価するため、まず腹部エックス線撮影を行います。
- ⑸ バリウムを用いて上部消化管造影検査を行う。腸閉塞が疑われる状態でバリウムを用いると、閉塞を悪化させるおそれがあります。
解説
正解は⑷です。便潜血陽性を放置していた高齢者が、便秘、腹部膨満、悪心、排便の停止、腸雑音の亢進を来しており、大腸癌による腸閉塞が疑われます。この状態で大量の腸管洗浄液を内服させると、腸管内圧が上昇して腸管穿孔を起こす危険があるため禁忌です。まず腹部エックス線撮影(必要に応じてCT)で腸閉塞の有無と閉塞部位を評価します。閉塞があれば減圧(経肛門イレウス管や大腸ステント)を検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成