30 歳の女性。昨日からの鼻汁と咽頭痛を主訴に来院した。咳嗽および呼吸困難はない…
30 歳の女性。昨日からの鼻汁と咽頭痛を主訴に来院した。咳嗽および呼吸困難はない。食事は摂れている。生来健康。意識は清明。体温37.3 ℃。脈拍76/分、整。血圧116/70mmHg。呼吸数18/分。咽頭に軽度の発赤を認めるが白苔は認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。5 歳の長男に4 日前から同様の症状がある。患者への説明で適切でないのはどれか。
- ⑴ 「十分な栄養、水分を摂って休んでください」適切な説明です。安静と十分な栄養・水分の摂取が対症療法の基本です。
- ⑵ 「通常、症状は1 週間程度でだんだん良くなっていきます」適切な説明です。ウイルス性上気道炎は通常1週間程度で自然に軽快します。
- ⑶ 「あとから肺炎になることがあるので抗菌薬を処方します」不適切な説明です。ウイルス性上気道炎に抗菌薬は無効で、肺炎予防にもなりません。
- ⑷ 「症状が悪くなっていく場合、もう一度受診してください」適切な説明です。悪化時の再受診を促すことは重要です。
- ⑸ 「食事や水分が摂れなくなった場合、もう一度受診してください」適切な説明です。脱水の危険があるため、摂食不良時の再受診を指示します。
解説
正解は⑶です。鼻汁と咽頭痛があり、家族内に同様の症状があることから、ウイルス性の急性上気道炎(いわゆるかぜ)と考えられます。ウイルス感染症に抗菌薬は無効で、肺炎の予防効果も示されておらず、下痢などの副作用や薬剤耐性菌を増やす原因となるため、処方すべきではありません。説明としては、安静と水分・栄養の摂取、通常は1週間程度で軽快すること、症状悪化時や食事・水分がとれない場合には再受診することを伝えるのが適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成