明治期から患者隔離が始まり、その後、治療薬が広く普及したにもかかわらず、隔離の根…
明治期から患者隔離が始まり、その後、治療薬が広く普及したにもかかわらず、隔離の根拠となる法律が平成8 年(1996 年)に廃止されるまで患者隔離が継続されたことにより、偏見や差別が続いた疾患の元患者の経験談を以下に示す。「私は12 歳で発病し、故郷から父親に連れられて療養所に入りました。すぐに本名を俗名に変えることを勧められました。私の実家は真っ白になるまで消毒され(中略)引っ越しせざるをえなかったと後で聞きました。」言及されている疾患はどれか。
- ⑴ 結核結核も隔離されましたが、平成8年に廃止された隔離の法律はらい予防法です。
- ⑵ B 型肝炎B型肝炎では集団予防接種による感染拡大が問題となりましたが、隔離政策はありません。
- ⑶ Hansen 病らい予防法による隔離が1996年の廃止まで続き、患者と家族が差別を受けました。
- ⑷ サリドマイドによる先天異常サリドマイドは薬害であり、患者の隔離は行われていません。
- ⑸ 後天性ヒト免疫不全症候群〈AIDS〉AIDSは1980年代以降の疾患で、明治期からの隔離政策とは関係しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。Hansen病(らい病)は明治40年(1907年)の法律以来、患者の強制隔離政策がとられ、特効薬プロミンが普及した後も、平成8年(1996年)のらい予防法廃止まで隔離が続きました。療養所への入所に際して偽名の使用が勧められ、実家が徹底的に消毒されるなど、患者本人だけでなく家族も深刻な偏見と差別を受けました。2001年には国の隔離政策の違法性を認める判決が出され、2019年には家族への補償の法律も制定されています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成