4 歳の女児。左上肢を動かさないため母親に連れられ夜間救急外来を受診した。日中、…
4 歳の女児。左上肢を動かさないため母親に連れられ夜間救急外来を受診した。日中、祖父母と一緒にショッピングセンターに出かけた際に、急に駆け出そうとしたため祖父がつないでいた手を引っ張ったところ、急に泣き出し左上肢を動かさなくなった。指示に従って左手指を曲げることはできるが、左肩左肘は動かそうとしない。考えられる診断はどれか。
- ⑴ 上腕骨顆上骨折上腕骨顆上骨折は転倒で手をついて受傷し、強い腫脹と変形を伴います。
- ⑵ 正中神経麻痺正中神経麻痺では手指の屈曲障害などが生じ、本例は手指を曲げられます。
- ⑶ 肘内障手を引っ張られて橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼する、幼児に典型的な外傷です。
- ⑷ 肘関節脱臼肘関節脱臼は転倒などの強い外力で生じ、高度の変形と腫脹を伴います。
- ⑸ 腕神経叢損傷腕神経叢損傷は分娩や交通外傷など強い牽引で生じ、手指の運動も障害されます。
解説
正解は⑶です。幼児が手を引っ張られた直後に泣き出し、上肢を動かさなくなったという受傷機転は肘内障に典型的です。橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼した状態で、2〜5歳ごろに多くみられます。患児は前腕回内位で腕を下垂し、肘を動かそうとしませんが、指は動かせます。腫脹や変形はほとんどみられません。治療は回外屈曲法や過回内法による徒手整復で、整復されると間もなく上肢を使い始めます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成