68 歳の女性。1 か月前に前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症し、開頭クリ…
68 歳の女性。1 か月前に前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症し、開頭クリッピング術を受けた。意識は清明で、明らかな麻痺は認めない。食事、整容、更衣、移動、排尿および排便は自立している。家族や友人を認識して穏やかに話すことができる。包丁は使えるが、段取りが悪くなり、順序立てて調理ができなくなった。この患者の高次脳機能障害で最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 失行失行は道具の使用や動作自体ができなくなる障害で、本例は包丁を使えます。
- ⑵ 失語失語は言語の理解・表出の障害で、本例は穏やかに話すことができます。
- ⑶ 失認失認は対象を認識できない障害で、本例は家族や友人を認識できています。
- ⑷ せん妄せん妄は意識障害を伴う急性の変動する状態で、本例は意識清明です。
- ⑸ 遂行機能障害段取りが悪く順序立てた調理ができないのは、前頭葉障害による遂行機能障害です。
解説
正解は⑸です。前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血では、前頭葉底面や前脳基底部が障害されやすく、記憶障害や遂行機能障害、人格変化が生じます。本例はADLが自立し、人の認識や会話も保たれていますが、包丁という道具は使えるのに、調理を計画し順序立てて実行することができなくなっています。目標を設定し、計画を立て、手順どおりに実行する能力の障害であり、前頭葉機能障害による遂行機能障害と考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成