1 か月の男児。肛門部の異常に気付いた母親に連れられて受診した。体温37.6 ℃…
1 か月の男児。肛門部の異常に気付いた母親に連れられて受診した。体温37.6 ℃。心拍数100/分、整。血圧80/46mmHg。呼吸数20/分。腹部は軽度膨隆している。腸雑音に異常を認めない。肛門周囲の発赤部は柔らかく、波動を認め、触れると痛がる様子がある。肛門部の写真(別冊No. 2)を別に示す。適切な対応はどれか。
- ⑴ 絶食腸閉塞などの所見はなく、絶食の必要はありません。
- ⑵ 沐浴の中止局所を清潔に保つことが重要で、沐浴を中止する必要はありません。
- ⑶ 消炎鎮痛薬の内服波動を触れる膿瘍は鎮痛薬内服では改善せず、排膿が必要です。
- ⑷ 発赤部の切開排膿波動を触れる肛門周囲膿瘍であり、切開排膿で膿を出すのが適切です。
- ⑸ 副腎皮質ステロイド軟膏の塗布ステロイド外用は感染を悪化させる可能性があり、膿瘍には不適切です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。生後1か月の男児で、肛門周囲に発赤・腫脹があり、柔らかく波動を触れ圧痛を伴うことから、乳児痔瘻の前段階である肛門周囲膿瘍と考えられます。乳児の肛門周囲膿瘍は男児に多く、膿瘍を形成して波動を触れる場合は切開排膿を行い、膿を出すことで速やかに症状が軽快します。多くは1歳ごろまでに自然治癒傾向を示します。漢方薬(排膿散及湯など)が併用されることもあります。全身状態は保たれています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成