78 歳の女性。左季肋部痛を主訴に来院した。6 年前から脾臓原発の悪性リンパ腫に…
78 歳の女性。左季肋部痛を主訴に来院した。6 年前から脾臓原発の悪性リンパ腫に対して薬物による抗癌治療を継続しているが再発を繰り返しており、薬物による抗癌治療を行わない方針となった。1 週間前から悪性リンパ腫による癌性疼痛に対してモルヒネの経口投与を開始したが疼痛が強くなり入院した。意識は清明。体温36.8 ℃。脈拍74/分、整。血圧132/78mmHg。呼吸数14/分。SpO2 96 %(roomair)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。左季肋下に脾を4 cm触知し、圧痛を認める。腹部CT で再発による脾臓の腫大を認めている。入院後、嚥下障害が出現し内服が困難となったためモルヒネ経口投与を中止し、モルヒネ皮下注射を開始した。注意すべき症状や徴候はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 発熱発熱はオピオイドの副作用として典型的ではありません。
- ⑵ 便秘便秘はオピオイドの代表的な副作用で、耐性ができにくく予防的な下剤投与が必要です。
- ⑶ 口内炎口内炎はオピオイドの副作用として典型的ではありません。
- ⑷ 皮膚潰瘍皮膚潰瘍はオピオイドの副作用として典型的ではありません。
- ⑸ 呼吸数低下呼吸数の低下はオピオイドの過量投与による呼吸抑制の徴候で、注意が必要です。
解説
正解は⑵と⑸です。モルヒネなどのオピオイドの主な副作用には、便秘、悪心・嘔吐、眠気、呼吸抑制があります。便秘は腸管のオピオイド受容体を介した蠕動運動の抑制によって起こり、耐性ができにくいため、オピオイド開始時から下剤を併用して予防します。呼吸抑制は過量投与時や投与経路の変更時に起こりやすく、呼吸数の低下や過度の眠気に注意して観察し、必要時はナロキソンで拮抗します。経口から皮下注射へ変更する際は換算比に注意が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成