34 歳の男性。会社員。昼休みに、屋上で下を覗き込んでいるところを、上司が見かけ…
34 歳の男性。会社員。昼休みに、屋上で下を覗き込んでいるところを、上司が見かけて、上司に付き添われて健康管理室に来室した。産業医が面談したところ、この社員が現在取り組んでいる仕事は難航しており、当面の間、解決のめどが立ちそうにないとのことであった。体調面では、ここ1 か月の間、体の疲れが取れず、眠れていない。また、気分の落ち込みが激しく、食事もほとんど摂れていないようである。面談中に「自分など会社のお荷物だ。いっそのこと死んでしまいたい。昨日、練炭を買ってきました」と発言があった。直近3 か月の月の残業時間は100 時間、110 時間、120 時間であった。産業医から精神科を受診するように伝えたが、忙しくて時間が取れないと言っている。この社員は一人暮らしをしている。面談実施後に、産業医から上司に対する発言で適切なのはどれか。
- ⑴ 「配置転換をしてください」配置転換は今後の対応として検討されますが、差し迫った自殺の危険への対応が優先です。
- ⑵ 「労災を申請してください」労災申請はのちに検討する事項で、現時点の緊急対応ではありません。
- ⑶ 「疲れているので、今日は一人で早退させてください」一人で帰宅させると自殺の危険が高まるため、不適切です。
- ⑷ 「残業をさせる時は、夕食をきちんととらせてください」残業を前提とした指示は不適切で、自殺の危険への対応にもなりません。
- ⑸ 「今から会社の人が付き添って、精神科を受診させてください」自殺の危険が切迫しているため、付き添いのもとで直ちに精神科を受診させます。
解説
正解は⑸です。長時間労働(月100時間超)を背景に、1か月以上続く抑うつ気分、不眠、食欲低下、無価値感があり、希死念慮を述べ、練炭を購入するなど具体的な準備もしています。うつ病による自殺の危険が切迫しており、本人は受診を渋っているため、一人にせず、今すぐ会社の人が付き添って精神科を受診させるのが適切です。一人での早退は自殺の危険を高めます。配置転換や労災申請、長時間労働の是正は、安全を確保した後に検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成