15 歳の女子。定期受診で来院した。10 歳時に全身性エリテマトーデス〈SLE〉…
15 歳の女子。定期受診で来院した。10 歳時に全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断され、小児科に通院している。少量グルココルチコイド、ミコフェノール酸モフェチル及びヒドロキシクロロキンを内服し病状は安定している。13 歳時にひとりで薬の管理をさせたところ、処方数と残薬数が合わないことから怠薬が判明した。以後、母親が薬の管理をしている。発達に問題はなく、学校の成績は良好で、今春、志望校に合格した。高校生になると忙しくなるので、本人を連れて受診できるか、母親が心配している。患者は質問に答えるのみで、自らの発言はない。高校進学を前に将来的な内科への移行を見据え、今後の管理を話し合うことにした。適切な対応はどれか。
- ⑴ 以前の怠薬歴を注意する。過去の怠薬を注意するだけでは、自立に向けた支援になりません。
- ⑵ 本人のみに薬の自己管理をさせる。理解や準備が不十分なまま本人のみに管理させると、再び怠薬するおそれがあります。
- ⑶ 自宅での内服管理は引き続き母親に任せる。親任せを続けると本人の自立が進まず、成人医療への移行が困難になります。
- ⑷ 母親のみに通院してもらい処方箋を発行する。本人が受診しないと病状の評価ができず、自立支援にもなりません。
- ⑸ 本人に自身の病気をどれくらい理解しているか確認する。まず本人の病気への理解を確認し、それに応じて段階的に自己管理を進めるのが適切です。
解説
正解は⑸です。小児期発症の慢性疾患をもつ患者が成人医療へ移行する際には、患者本人が自分の病気や治療を理解し、服薬や受診を自ら管理し、医療者と主体的に意思決定できるように支援する移行期医療(トランジション)が重要です。本例では自らの発言がなく、以前に怠薬歴もあるため、まず本人が病気についてどれくらい理解しているかを確認し、それに合わせて段階的に自己管理を進めます。叱責や一方的な丸投げ、親任せの継続は自立を妨げます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成