58 歳の男性。①意識障害のため救急車で搬入された。5 年前に②糖尿病でインスリ…
58 歳の男性。①意識障害のため救急車で搬入された。5 年前に②糖尿病でインスリン自己注射を開始した。2 年前から③職場の人間関係が悪化し、仕事を休みがちである。同時期から、④食事は不規則になり、飲酒量が増えた。また、糖尿病の治療を自己中断していた。数日前から姉との連絡が途絶えたため、姉が心配して自宅を訪ねたところ、意識がもうろうとして台所で倒れているのを発見し、救急車を要請した。16 年前に離婚してからは独居である。意識レベルはJCSⅡ-20。身長174 cm、体重58 kg。体温37.0 ℃。心拍数92/分、整。血圧98/64mmHg。⑤呼吸数24/分。糖尿病ケトアシドーシスと診断され入院した。下線部のうち、社会的な健康規定要因(Social Determinants of Health)〈SDH〉はどれか。
- ⑴ ①意識障害は臨床症状であり、社会的決定要因ではありません。
- ⑵ ②糖尿病は疾患であり、社会的決定要因ではありません。
- ⑶ ③職場の人間関係の悪化は労働環境や社会関係に関わり、健康の社会的決定要因に当たります。
- ⑷ ④不規則な食事や飲酒量の増加は個人の健康行動であり、社会的決定要因そのものではありません。
- ⑸ ⑤呼吸数の増加は身体所見であり、社会的決定要因ではありません。
解説
正解は⑶です。健康の社会的決定要因(SDH)とは、個人の健康に影響を与える社会的・経済的な環境要因で、所得、教育、雇用・労働環境、社会的支援や人間関係、住居、地域のつながりなどが含まれます。職場の人間関係の悪化は労働環境や社会的関係に関わる要因であり、SDHに当たります。意識障害や呼吸数は臨床症状・所見、糖尿病は疾患、不規則な食事と飲酒量の増加は個人の生活習慣(健康行動)に当たり、それ自体はSDHではない点に注意が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成