28 歳の女性。動悸を主訴に来院した。午前10 時ごろ、事務仕事中に突然、動悸を…
28 歳の女性。動悸を主訴に来院した。午前10 時ごろ、事務仕事中に突然、動悸を自覚した。安静にしていても症状が治まらないため受診した。過去に学校健診で心電図異常を指摘され、当院を受診したが経過観察となっていた。その時の12 誘導心電図(別冊No. 28A)を別に示す。既往歴に気管支喘息があり、吸入薬を使用しているが、年に数回発作を繰り返している。意識は清明。体温36.2 ℃。脈拍164/分、整。血圧120/82mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。来院時の12 誘導心電図(別冊No. 28B)を別に示す。まず最初に行うべき対応はどれか。
- ⑴ 電気ショック血行動態は安定しており、まず電気ショックを行う必要はありません。
- ⑵ Valsalva 手技血行動態の安定した発作性上室頻拍では、まず迷走神経刺激手技を試みます。
- ⑶ ジゴキシン投与WPW症候群ではジゴキシンが副伝導路の伝導を促進するおそれがあり、使用を避けます。
- ⑷ 硫酸マグネシウム投与硫酸マグネシウムはtorsades de pointesなどに用いる薬剤で、本例の第一選択ではありません。
- ⑸ アデノシン三リン酸投与ATPは有効ですが、気管支喘息では気管支攣縮を誘発するため慎重を要し、まず迷走神経刺激を行います。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。突然始まった規則正しい頻拍(164/分)で、以前の心電図は本文から確認できませんが、デルタ波を示すWPW症候群が想定され、来院時は房室回帰性頻拍などの発作性上室頻拍と考えられます。血行動態は安定しているため、まず迷走神経刺激手技であるValsalva手技を試みます。無効ならATP(アデノシン)の急速静注が一般的ですが、気管支喘息では気管支攣縮を誘発するため慎重を要し、ベラパミルなどを検討します。血行動態が不安定な場合は電気ショックを行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成