81 歳の女性。右胸部痛を主訴に救急車で搬入された。自宅の階段で5 段の高さから…
81 歳の女性。右胸部痛を主訴に救急車で搬入された。自宅の階段で5 段の高さから転落し、右胸部をぶつけ倒れているところを家族に発見された。痛みで立ち上がれないため、家族が救急車を要請した。意識は清明。体温36.6 ℃。心拍数88/分、整。血圧136/78mmHg。呼吸数24/分。SpO2 92 %(room air)。動揺胸郭を認めない。心音に異常を認めない。右胸部の呼吸音が対側と比べ減弱している。右前胸部から側胸部にかけて皮下気腫を認める。胸部単純CT(別冊No. 23)を別に示す。まず行うべき治療はどれか。
- ⑴ 開胸止血術循環動態は安定しており、開胸止血術が必要な大量血胸を示唆する所見はありません。
- ⑵ 肋骨固定術動揺胸郭はなく、肋骨固定術を急ぐ必要はありません。
- ⑶ 胸腔ドレナージ外傷性気胸による呼吸障害に対し、まず胸腔ドレナージで肺を再膨張させます。
- ⑷ 人工呼吸器管理気胸があるまま陽圧換気を行うと緊張性気胸に進展するおそれがあり、まずドレナージを行います。
- ⑸ 心囊ドレナージ心タンポナーデを示唆する所見はなく、心嚢ドレナージは不要です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。高齢者が階段から転落して右胸部を打撲し、呼吸数増加、SpO2低下、右呼吸音の減弱、右前胸部から側胸部の皮下気腫を認めます。CTは本文から確認できませんが、肋骨骨折に伴う外傷性気胸(血気胸)が想定されます。循環動態は安定しており、まず胸腔ドレナージで脱気(排血)し肺を再膨張させます。外傷性気胸で人工呼吸管理を行う場合も、陽圧で緊張性気胸に進展するおそれがあるため先にドレナージを行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成