30 歳の男性。健康診断で胸部エックス線写真の異常を指摘され来院した。自覚症状は…
30 歳の男性。健康診断で胸部エックス線写真の異常を指摘され来院した。自覚症状はない。意識は清明。体温36.2 ℃。脈拍56/分、整。血圧120/74mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98 %(room air)。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。下腿に浮腫を認めない。神経診察で異常を認めない。血液生化学所見:尿素窒素14 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉37.4 U/L(基準3.3~21.4)。12 誘導心電図でⅠ度房室ブロックを認める。胸部エックス線写真(別冊No. 7)を別に示す。この患者でグルココルチコイド内服治療の適応と判断する画像所見はどれか。
- ⑴ 頭部MRA での脳動脈瘤脳動脈瘤はサルコイドーシスの病変ではなく、ステロイドの適応判断にはなりません。
- ⑵ FDG-PET での心筋への異常集積心筋への異常集積は心臓サルコイドーシスの活動性病変を示し、ステロイド治療の適応です。
- ⑶ 胸部造影CT での両側縦隔リンパ節腫大縦隔リンパ節腫大のみでは自然寛解が多く、ステロイド治療の適応とはなりません。
- ⑷ 心エコー検査での心室中隔の非対称性肥大心室中隔の非対称性肥大は肥大型心筋症の所見で、サルコイドーシスのステロイド適応の根拠ではありません。
- ⑸ Ga シンチグラフィでの両側肺門リンパ節への集積肺門リンパ節への集積は診断の参考になりますが、それのみではステロイド治療の適応とはなりません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。若年者の無症状の両側肺門リンパ節腫脹(胸部エックス線写真は本文から確認できませんが想定されます)、血清ACE高値、Ⅰ度房室ブロックから、心病変を伴う可能性のあるサルコイドーシスが考えられます。サルコイドーシスの多くは自然寛解するため経過観察とされますが、心臓サルコイドーシスは房室ブロックや致死的不整脈、心不全をきたしうるため、グルココルチコイドの全身投与の適応となります。FDG-PETでの心筋への異常集積は心病変の活動性を示す所見です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成