62 歳の男性。右眼の視野に見えにくい部分があることを主訴に来院した。既往歴とし…
62 歳の男性。右眼の視野に見えにくい部分があることを主訴に来院した。既往歴として10 年前に気管支喘息重積状態となり入院した。3 年前から喘息発作を繰り返しており、総合病院の呼吸器内科外来に通院している。視力は右0.1(1.0 ×-3.0 D)、左0.2(1.0 × -2.5 D)、眼圧は右27mmHg、左20mmHg。両眼の前眼部、中間透光体に異常を認めない。右眼の眼底写真(別冊No. 9A)と視野検査の結果(別冊No. 9B)とを別に示す。適切な点眼薬はどれか。
- ⑴ 抗菌薬感染症を示す所見はなく、抗菌薬の点眼は緑内障の治療になりません。
- ⑵ β 遮断薬β遮断薬の点眼は全身に吸収され気管支喘息を悪化させるため、本例では禁忌です。
- ⑶ 副交感神経刺激薬副交感神経刺激薬(ピロカルピン)は主に閉塞隅角緑内障で用い、開放隅角緑内障の第一選択ではありません。
- ⑷ 副腎皮質ステロイド薬ステロイド点眼はむしろ眼圧を上昇させ、ステロイド緑内障の原因となります。
- ⑸ プロスタグランディン関連薬プロスタグランディン関連薬は眼圧下降作用が強く、喘息患者にも使用でき、第一選択として適切です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。右眼の眼圧が27 mmHgと高く、眼底写真と視野検査は本文から確認できませんが、視神経乳頭陥凹の拡大と、それに対応する視野欠損が想定され、緑内障と考えられます。前眼部に異常がなく、開放隅角緑内障と考えられます。治療の第一選択は眼圧下降薬の点眼で、プロスタグランディン関連薬は房水流出を促進して強力に眼圧を下げます。気管支喘息がある患者ではβ遮断薬の点眼は気管支収縮を誘発するおそれがあるため禁忌です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成