7 歳の男児。嘔吐と下痢を主訴に母親に連れられて来院した。2 日前から38 ℃の…
7 歳の男児。嘔吐と下痢を主訴に母親に連れられて来院した。2 日前から38 ℃の発熱、嘔吐及び1 日8 回の水様下痢が持続しており、経口水分摂取が困難なため入院した。入院時検査で便中ノロウイルス抗原が陽性であった。研修医がビニールエプロン、サージカルマスク、アイガード及びディスポーザブル手袋を着用し病室で診察をしていたところ、患児がプラスチック製テーブルの上に少量嘔吐した。研修医は嘔吐後の患児の状態が安定していることを確認後、①ペーパータオルで吐物を拭き取り、②ペーパータオルをビニール袋に入れて密封後に③医療廃棄物用のごみ箱に捨て、テーブルの上を④アルコール綿で拭いて消毒した。その後、ディスポーザブル手袋、アイガード、ビニールエプロン、サージカルマスクを医療廃棄物用のごみ箱に捨て、⑤自分の手を石鹸を用いて流水で洗浄した。下線部のうち、対応で誤っているのはどれか。
- ⑴ ①防護具を着用したうえでペーパータオルで吐物を拭き取るのは正しい対応です。
- ⑵ ②拭き取ったペーパータオルをビニール袋に入れて密封し、飛散を防ぐのは正しい対応です。
- ⑶ ③感染性のある廃棄物を医療廃棄物として処理するのは正しい対応です。
- ⑷ ④ノロウイルスはアルコールに抵抗性があり、次亜塩素酸ナトリウムで消毒すべきなので、これが誤りです。
- ⑸ ⑤ノロウイルスはアルコール手指消毒の効果が乏しいため、石鹸と流水で手洗いするのは正しい対応です。
解説
正解は⑷です。ノロウイルスはエンベロープをもたないウイルスで、アルコールに対する抵抗性が高いため、アルコール綿での消毒は効果が不十分です。吐物の付着した場所は、ペーパータオルで吐物を外側から内側へ静かに拭き取ったあと、0.1%(1,000 ppm)程度の次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭き、その後水拭きします。吐物を拭き取ったペーパータオルをビニール袋で密封して医療廃棄物として捨てることや、流水と石鹸での手洗いは正しい対応です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成