52 歳の女性。暗いところで見えにくいことを主訴に来院した。既往歴に特記すべきこ…
52 歳の女性。暗いところで見えにくいことを主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。姉も同様の症状がある。視力は右0.3(1.0 × -1.5 D)、左0.2(0.9 × -2.0 D)。両眼の眼底写真(別冊No. 33)を別に示す。診断に有用なのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 色覚検査色覚検査は先天色覚異常や錐体の障害の評価に用いますが、網膜色素変性症の診断の中心ではありません。
- ⑵ 視野検査網膜色素変性症では輪状暗点や求心性視野狭窄がみられ、視野検査が診断と経過観察に有用です。
- ⑶ 調節検査調節検査は老視などの評価に用いる検査で、本症の診断には役立ちません。
- ⑷ 両眼視機能検査両眼視機能検査は斜視や弱視の評価に用い、本症の診断には役立ちません。
- ⑸ 網膜電図検査〈ERG〉網膜電図では杆体・錐体の反応が著しく減弱・消失し、網膜色素変性症の診断に有用です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑸です。夜盲を主訴とし、姉に同様の症状があることから、遺伝性の網膜色素変性症が考えられます。眼底写真は本文から確認できませんが、骨小体様色素沈着や網膜血管の狭細化が典型です。視細胞(杆体)の障害により、視野検査では輪状暗点や求心性視野狭窄がみられ、網膜電図では反応の著しい減弱や消失(平坦化)を認めます。いずれも診断と進行評価に有用で、進行すると中心視力も低下します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成