63 歳の男性。眼瞼下垂を主訴に来院した。1 か月前から物が二重に見えることを自…
63 歳の男性。眼瞼下垂を主訴に来院した。1 か月前から物が二重に見えることを自覚していた。夕方になると眼瞼下垂がみられる。その他に自覚症状はない。血中抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部単純CT(別冊No. 31)を別に示す。適切な対応はどれか。
- ⑴ 抗癌化学療法切除可能な胸腺腫が想定され、抗癌化学療法を先に行う必要はありません。
- ⑵ 定位放射線治療定位放射線治療は胸腺腫の標準的な初期治療ではありません。
- ⑶ 縦隔リンパ節生検縦隔リンパ節生検ではなく、胸腺腫を含めた切除が診断と治療を兼ねます。
- ⑷ シクロスポリン投与シクロスポリンは免疫抑制療法の一つですが、胸腺腫合併例ではまず胸腺腫の切除を行います。
- ⑸ 胸腺腫を含む拡大胸腺摘出術胸腺腫合併の重症筋無力症では、拡大胸腺摘出術が適切な対応です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。複視と夕方に増悪する眼瞼下垂(易疲労性・日内変動)、抗アセチルコリン受容体抗体陽性から重症筋無力症と診断できます。胸部CTは本文から確認できませんが、前縦隔の腫瘤として胸腺腫が想定されます。胸腺腫を合併する重症筋無力症では、胸腺腫自体の治療と筋無力症状の改善を目的に、胸腺腫を含む拡大胸腺摘出術を行います。周術期のクリーゼに注意し、必要に応じて免疫治療を組み合わせます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成