40 歳の男性。関節痛と皮疹を主訴に来院した。以前から皮疹を繰り返し認めていたが…
40 歳の男性。関節痛と皮疹を主訴に来院した。以前から皮疹を繰り返し認めていたが、約3 か月前から背部の皮疹が拡大してきた。同時期から、手指の関節痛、腰痛および臀部痛を自覚するようになった。貼付剤で様子をみていたが、改善しないため受診した。意識は清明。体温36.5 ℃。上腕部と背部とに皮疹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。両手の爪に点状陥凹を認める。両手の示指、中指、環指の遠位指節間関節および近位指節間関節に腫脹と圧痛を認める。アキレス腱付着部に軽度の圧痛を認める。血液所見:赤血球452 万、Hb 14.1 g/dL、Ht 45 %、白血球5,600、血小板16 万。免疫血清学所見:CRP 0.3 mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉陰性、抗核抗体陰性。背部の写真(別冊No. 28)を別に示す。この患者でみられる可能性が高いのはどれか。
- ⑴ 白内障白内障は乾癬性関節炎の典型的な合併症ではありません。脊椎関節炎の眼病変ではぶどう膜炎が重要です。
- ⑵ 外陰部潰瘍外陰部潰瘍はBehçet病の主症状で、本例には合いません。
- ⑶ 心囊液貯留心嚢液貯留は全身性エリテマトーデスなどでみられ、乾癬性関節炎では典型的ではありません。
- ⑷ 仙腸関節炎乾癬性関節炎は脊椎関節炎に含まれ、臀部痛の原因として仙腸関節炎がみられる可能性が高いです。
- ⑸ 多発単神経炎多発単神経炎は血管炎などでみられ、乾癬性関節炎の所見ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。繰り返す皮疹(写真は本文から確認できませんが、鱗屑を伴う紅斑の乾癬が想定されます)に、爪の点状陥凹、遠位指節間関節を含む関節炎、アキレス腱付着部炎、腰痛と臀部痛を伴い、リウマトイド因子陰性であることから、乾癬性関節炎と考えられます。乾癬性関節炎は脊椎関節炎の一つで、仙腸関節炎や脊椎炎を伴うことが多く、臀部痛はその症状と考えられます。脊椎関節炎ではぶどう膜炎も合併しますが、白内障は典型ではない点も区別が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成