46 歳の女性。人間ドックで血液検査の異常を指摘され、精査のため来院した。自覚症…
46 歳の女性。人間ドックで血液検査の異常を指摘され、精査のため来院した。自覚症状はない。身長166 cm、体重59 kg。脈拍72/分、整。血圧126/82mmHg。血液生化学所見:アルブミン4.4 g/dL、尿素窒素11 mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 104 mEq/L、Ca 11.2 mg/dL、P 3.4 mg/dL、副甲状腺ホルモン102 pg/mL(基準10~60)。頸部超音波像(別冊No. 22)を別に示す。この疾患で正しいのはどれか。
- ⑴ 白内障を合併しやすい。白内障は副甲状腺機能低下症(低カルシウム血症)で合併しやすいものです。
- ⑵ 全身性の骨軟化症がみられる。原発性副甲状腺機能亢進症で特徴的なのは骨吸収亢進による線維性骨炎や骨粗鬆症で、骨軟化症ではありません。
- ⑶ 異所性ホルモン産生腫瘍である。副甲状腺腺腫が自らPTHを産生しており、異所性ホルモン産生腫瘍ではありません。
- ⑷ 尿中カルシウム排泄率は増加する。高カルシウム血症で濾過量が増えるため尿中カルシウム排泄は増加し、尿路結石の原因となります。
- ⑸ 甲状腺癌に関連するカルシウム異常である。副甲状腺腺腫によるもので、甲状腺癌に伴うカルシウム異常ではありません(MEN2Aでは合併しうるが例外的です)。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。高カルシウム血症、PTH高値、低めのリン値、頸部超音波で甲状腺背側の腫瘤が想定されることから、副甲状腺腺腫による原発性副甲状腺機能亢進症が考えられます。PTHは腎尿細管でのカルシウム再吸収を促しますが、高カルシウム血症で糸球体から濾過されるカルシウムが増えるため、尿中カルシウム排泄は増加し、尿路結石の原因となります。骨では線維性骨炎や骨粗鬆症がみられます。根治治療は病的副甲状腺の摘出です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成